命の息吹を感じる土地ってありますよね。
最近土の匂いかいだ覚えありますか?子供の頃よく近所の原っぱで走り回ったり、こけて膝すりむいたりってのが当たり前の日常だった頃、周辺ではウシガエルの大合唱を聞いたり、ザリガニ取りに明け暮れたり。
そんな経験からずっと離れていた日常生活から、僕の場合は全身に海の匂いを染み付かせることはあっても、土とはご無沙汰でした。
先月、ふと和歌山県の広報誌の仕事から偶然同じ号の表紙になっていた旧知のチェーンソーアートの作家さんに連絡を取ってみたら、急遽会うことになって、和歌山の龍神村に行ってきました。その時、まさかそんな話に発展するとは思わなかったのですが、人間が環境に与えるインパクトの話になって、ずいぶん話し込んじゃいました。
山の水・・・特に安全かどうかという点はかねてからずっと思い続けていたことで、おいしい水の飲める場所はいいよなと考え続けていました。もちろんその水はその地の環境がよくなければそのまま飲むわけにはいきません。農作物も安全な水と環境が僕たちに元気を与えてくれると思うのですが、同時に日本のあらゆる生き物にとっても大事な物のはずです。
今のレタスやキャベツ、なんだかプラスチックの作り物っぽく感じるのは僕だけでしょうか? まったく虫の食ってない状況をみて不思議に思いませんか?あまりにきれいな野菜や果物。これを作ってる農家の方々と消費者である一般家庭の両者の望む商品開発、流通形態がうまく合致してスーパーに並んでいるわけですが、驚くほどの農薬や薬剤が使われていることは案外知らされていません。また、その現場で使われている安全だと検証されている農薬が、ここ10数年で大きくさま変わりしてきていることを恥ずかしながら僕は知りませんでした。
ネオニコチノイド系の農薬が開発され、親水性が高いことから洗い流せるし、作物に安全だということで急速に広まってきました。これは家庭菜園用としても、害虫駆除のしやすさからあっという間に普及、ホームセンターなどでも普通に買えて劇薬扱いにもなっていません。 まあこの農薬の問題はそのうちきっちり調べて改めて記述しようと思っていますが、洗い流せるということはすべて写真のような水田に・・・そこから川、海と流れていくわけですよね。
いろいろ話しているうちにふと頭をよぎったことがあります。
世界中でいっせいに起こりだしたホワイトシンドローム・・・サンゴが高水温で白化してしまうのではなく、原因不明の白化を起こして死んでいってしまう伝染病めいた現象。 これがサンオイルのせいだとか、ウイルスのせいだとかさまざまな憶測が学者さんからもされてきています。この発生し始めた頃と、ネオニコチノイド系の農薬を散布しだした時期が奇しくも一致している気がしてます。
沖縄や海外でもゴルフ場やリゾート施設の建設ラッシュから芝生の養生に便利だと撒かれる種類がどうやらこっち方向に変わってきたようです。南に多いサトウキビ畑もね・・・
この農薬は水によく溶ける親水性の高さから沿岸の生態系に直接作用しやすいことは素人考えでも容易に推測できます。
この農薬が今や普通に大量に使用されていることから、僕たちの身の回りの昆虫や身近な生き物が激減してきていることに、多くの人たちは気づいていない気がします。
この農薬は上流で使えばその薬効が下流域の水にも当然影響を与えるわけで、下流域で自分の田畑に撒くのを制限しても意味がないことになります。 そのため無農薬の不耕起栽培を行なおうと考えても、上流からはじめないと意味がないわけです。
そんなわけで和歌山の龍神村界隈で無農薬の不耕起栽培をはじめようとする動きを知り、そこに参加させていただく機会を得ることができたんで、今週月曜からずっと田んぼに入らせていただいてました。アメンボやカエル、イトミミズ、カブトエビが普通に大量に泳ぐ水田のぬかるみに毎日裸足で入ってズブズブと作業に取り組んでみました。
いいですね、地球の息吹が聞こえるようで・・・
苗の段階から育てることにもかなりのこだわりがあって、その理由をしっかりと勉強しながら、汗を流すのもいいですね。
田植えのタイミングも苗の生育状態が大事で、人間の都合や休日にあわせたものではなく、苗の声を聞きながら行なうようなものです。
稲だけではなく、植物だけではなく、多くの生き物の息づかいがここから伝わってきます。海に山から流れ込む水の原点をここで感じることができます。
安全な水が芳醇に得られる場所というここから、下流に向かってこういった動きが少しでも繋がっていけば、きっと単なる安全な食品という観点だけでなく、生態系がどう変化するかも見ることができるはずです。
下の写真は熊野三社のひとつ、速玉大社の宮司さんがこの地をお祓いしてくれ、水の入り口と出口にこういった護符を奉ってくれたというものです。
昔は紀伊半島で普通にこういった光景があったそうですが、今は見ることがほとんどありません。
水と命の繋がり・・・昔の日本人は普通に日常生活で敬いながら生きてきたんですね。
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