ニュース

JAPAN times

Japantimes_2 昨年から本格参加しているプロジェクト、エルテュールル号引き揚げプロジェクトだが、このブログでもバックナンバーでどのようなことをやっているのかを過去に少しご紹介させていただいている。
今日 日曜日のJapan timesに掲載された掲載紙が編集部員であるMiss.Winifred Bird から送られてきた。
モノクロ使用なのだがまるまる1ページが特集として取り上げられていて、その構成と内容がしっかりしているものになっている。
使われたのは1カットのみだけれど、水中を効果的に使っている。
タイトルはJapan’s tragic "Titanic of Turkey"
この写真を使いたいと言ってきてるとトゥファンから串本ロイヤルホテルで彼女を紹介されてから、彼女とやり取りしながら、ようやく記事として露出されてきたわけだ。
ビジネスとしての話を当然プロである僕はさせていただかないといけないわけだが、当初どのような扱いで使われるのかがわからなく、数度その後携帯にかけてくる彼女と僕のつたない英語力での交渉となったのだが、無事交渉成立。
きちんとギャラをいただいて掲載と相成った。
このあたりはきっちりと仕事の結果で評価してくれる欧米人の仕事ですね。
多くの日本在住の外国人の方に、このトルコの軍艦の遺物を引き上げるというプロジェクトを知っていただけたと思う。
こういった交渉をする際、ニュースソースとしての扱いはそれぞれ違うのだろうけど、日本の多くの新聞やメディアは外部からの素材の提供を公共のためという理由なのからか、買い取るということをしたがらない。
プロが撮った写真の場合で、それなりにクオリティーが読者投稿写真と明らかに違う場合でも認めようとしないようで、僕もきちんとイーブンな立場でいろんなメディアの方々と話せるようになったのはつい最近の話。まあ、プロとアマチュアの線引きは非常に難しいところがありますが...
基本的に放送局報道部も新聞社も今では水中班というものをNHKさんにならって作ろうとするようで、自社制作にこだわるようだ。
もちろん、それが効果的に働くケースもあるだろう。版権と二次使用三次使用の問題。素材の使用料というコスト。でも、NHKさんの水中班と明らかに違う点がどの局、新聞社にも見受けられる。それは水中という環境の錬度というか、トレーニング量。
たぶん上層部は、日ごろ陸カメラを使いなれている報道の生え抜きだから、最上級の機材を揃えれば、すごい映像をとるはずだと思っているのだろう。
報道は花形ですからね。予算もすごい機材を惜しげもなく注ぎ込んでいる。
しかしながら現場で遭遇すると、多くの報道陣の水中カメラマンたちは驚くべき行動を取り出すのだ。我先に、だれよりも前で撮ってやろうとバタバタと出てくる。立ち泳ぎで中性浮力も十分に取れていない。当然辺りは底の砂や泥を巻き上げもうもうとなる。
よくニュースで見る芸能人を追いかける、あの光景の水中版だ。 しかし水中だから画面にまともに悪影響が出る。でも、写真をあるいは映像をだれよりもいいポジションで撮ることのみに夢中だから、みんながみんな悪循環になるのだ。
今回の取材時も某取材チームのいくつかが、遺跡ともいえる(歴史はそれほど古くないが)発掘現場で、中性浮力が取れないゆえ、発掘現場の遺物の上にドタッと寝そべったままシャッター切っていたり、発掘物の上に乗っかっていたりする現場を多数見てしまった。ずっと記録を取っていた僕は映像でも残してしまっているが、ある意味使えないんですよね。(トルコで放送されたら日本人として恥ずかしいなあ)
これが飛鳥古墳だったら...そんなことやったら袋叩きですよね。遺跡の壁面にもたれたり、上に乗ったりしたら...。

なぜ報道チームを入れる日を研究所所長のトゥファン氏が指定してその日以外入れたがらないのか、報道チームもわかってくれているのだろうか?

それぞれ良好な関係を作られているチーム同士なら、その順番や時間割を作ることで、逃げない被写体の場合、より効率よい取材ができるはずだ。そのことがわかっているチームが幸いこのトルコ軍艦取材の際に来ていたので、報道j開放日にNHKさんをはじめ、朝日新聞社さんとかお互いに仕事上のお付き合いさせていただいているチーム間に恐縮ながら僕が話をさせていただいて、タイム割をさせていただいた。結果いい取材になったのではないだろうかと思ってます。
さらにご提言をさせていただけば、こと水中という環境での取材なら、水中映像祭などに出展しているプロの映像を見ていただけばわかっていただけるはずだが、僕ではなくとも、その道のスペシャリストに発注した方が、3年~5年サイクルで機材を買い替え揃えるより、ずっと安いコストでいい映像と素材が視聴者読者に届けられるはずですが.....
BBCやナショナルジオグラフィックチャンネル、アニマルプラネットがすごい映像を流し、映画でその集大成がヒットしたのも外注のプロフェッショナルに発注してるからなんですよ。
NHKは別格。世界最大の水中班ですからね。160人の選りすぐられた水中の精鋭で構成されてますから。(やりたいという志願者は4倍はいるらしいが、落されているとか)

これを民放がまねようとすると、膨大な予算が必要だということに
気づいてほしいな。

そろそろ、民放さんの報道トップの方も、新聞社のデスクの方も外注のメリットに気づかれる水中撮影経験者が増えてきているはずです。
いいカメラマン紹介しますよ!日本各地の。
もちろん自分の地元の仕事くださいねという本音とオチも付くのですが...笑。
.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

エルトゥールル号3

Hq9r4745水深15m付近で発見された、当時の水兵が付けていたと思われるバッチ。
このバッチにはトルコのマーキングが見て取れ、今現在の軍服と若干ディティールが異なるものの、ほぼ同じデザインになっている。この写真はトルコで最も大きな新聞社の一面で大きく扱われて掲載されたという。
持っているのが今回の発掘調査チームのリーダーであるトゥファン氏。この他にも当時のものがずいぶん発掘された。
トータルで1200点を超える遺物が今回引き上げられ、保存処理にかかっている。昨日19日最終的に串本にて記者発表が行われたはずだ。(僕は雑誌記事編集等で先に帰っちゃった)
とりあえず第一弾は来月10日発売の月刊ダイバーでこの模様はお伝えします。
買ってみてみてくださいね!

いろんな手法や、海洋考古学のありかた、ほぼ1ヵ月に及んだトルコ海洋考古学研究所の人たちとの交流から、伝えたいことがいっぱいありすぎて、これから様々なメディアでの露出を踏まえて動いていきます。
多くのニュースメディアが取材をし、このトルコと日本の関係を報道していくはずですが、僕が現状でおかれているスタンスは一報道者ではなく、完璧にトルコ海洋考古学研究所のチームの一員として動いています。
したがって、報道では入れなかった現場や報道陣が取材されていない部分もたくさん見たし、経験してきました。
この記録作業はハイビジョンカメラとスチルカメラで行ってきたのですが、今回僕自身も記録にあたって、ちょっと前年から考えていたことを実行。
ハイビジョン映像収録時にリアルタイムで自分でレポートをフルフェイスマスクを使って音声収録してみました。
一日はトゥファンにもフルフェイスを付けさせて本人にもレポートさせたのですが、
作業に制限が出るので(動きにくいとか息苦しいとか)あとは自分がほとんど日本語でしゃべっています。この模様は今年に露出することが日本では難しいかもしれませんが、前年のもの含めて、先々でまとめてオンエアできるでしょう。
トゥファン氏とも日本での映像使用権について、こちらに全面的に任せてもらえる関係になったので、遺物里帰りの2010年目指して、毎年このシーズンに撮影を続けることになります。Hq9r4868
国内だけではなく、トルコのナショナルジオグラフィック誌との連携、アトラスというヨーロッパの雑誌(ナショジオのヨーロッパ版のような自然科学誌)での露出もしていきます。
お楽しみに!
左の写真は和歌山県議会の方々が表敬訪問された時のもの。中央ポコンと背が高いのがトゥファン。
右端が僕です。トゥファンと串本町内をうろついていると、おばあちゃんなどは僕もトルコ人だと思うのか、挨拶すると、「日本語しゃべらはった!」と驚かれたことも…苦笑。

下が今回のプロジェクトのスタッフジャンパー。インナーフリースが取り外して単体でも着ることができるすぐれもの。中央のベルタさんが着ているものが僕のものになることに・・・
気に入って最近着まくってます。Hq9r5268
715659750_229

| | コメント (4) | トラックバック (0)

エルトュールル号2

Img_0502エルトュールル号の遺物捜索活動も終盤を迎えるにいたった。
今回は前年までの単なる上からの金属探査や、ソナー探査、目視による遺物の確認以外に、本格的に掘り起こしての捜索が行われている。
前のブログで、テストパターンのような3D画像作成用のチャートをご紹介しましたが、今回はドレッジシステムのお話です。
ドレッジシステムとは水中考古学の世界で取り入れられている手法で、水中考古学の父といわれるテキサス大学のジョージ・バス博士が考案したものだ。これは水中遺跡発掘や、古くに沈んだ沈船を発掘する際に有効な方法だ。
ふつう水中で砂や小石が降り積もった部分を手でどけてみるとわかるのだけれど、あっという間に周辺に煙幕のように懸濁物が舞い上がるもので、それが視界を遮り、しばらく沈静化するまでじっとしているしかない。
当然のことながら、そんなに効率の悪いことはやってられないので、このドレッジシステムを活用することになるのです。
船上にエンジンを備えた水中ポンプを設置、長いドレンホースを発掘現場まで引っ張り、水流を意図的にコントロール。
吸い込む巨大な掃除機のようなもので砂泥を取り除きながら埋もれた遺物を探し出すのです。吸い込みすぎて、金属製のピンや小さなパーツを紛失しないように、注意深く刷毛で払いながら吸い込んでいく作業は完全なる手作業です。
水温14℃の海でじっと動かず70分から80分間作業するのはほんとうに大変な作業。
これが午前午後と連日続くわけだから体力的にだんだん消耗していく。
しかしながらその努力に見合った見返りとしての遺物が数多く挙がっている。
この詳しい話と写真は月刊ダイバーとナショナルジオグラフィックで順次ご紹介していく予定だ。お楽しみに!!

下の写真はトルコ海洋考古学研究所の所長トゥファンさんの娘さんの「アダ」。とにかく愛嬌がよく、疲れた我々の心を和ませてくれる存在だ。

なんでも息をこらえての潜水が得意なようで、将来はフリーダイバーになるのかな?

水温の低い今の時期ゆえに潜る能力は見せてもらってないけれど、とにかく元気にエルトュールルセンター内を走り回っている!708341123_145 Hq9r4362

| | コメント (0) | トラックバック (0)

サンゴの白化

001hanabira6最近ニュースをにぎわせているサンゴの白化現象。石垣島周辺の平均水温が30℃以上から下回らないことが例年の4倍以上の長い期間続いていることかららしい。
さらにホワイトシンドロームという得体のしれない伝染病っぽいのまで蔓延しだしているという。
海水温の上昇と温暖化という切り口で、多くのマスコミが串本や四国大月町のサンゴ群落を取り上げ、ここにはすごい群落が広がり出しているということをテレビ番組等で取り上げ出しているが、こちらは世界最大級の暖流「黒潮」の蛇行の影響も大きく、平均水温との絡みが非常に難しい。
1月に21℃になったかと思えば、夏場に突然18℃とかに沿岸がなったりもしますからね
とはいえ、地球全体の温暖化は確実にすごいスピードで進んでいるようです。地球全体規模では温度上昇のスピードがかつてないほどのようです。すぐ温度上昇する気体と違い、暖まりにくい膨大な量がある海水が温められるエネルギーはとんでもないものです。

45億年前から地球上に酸素を作り出してきたサンゴの祖先ストロマトライトは氷河期も乗り越えて今まで生きてきました。恐竜が我がもの顔でのし歩いてきた今よりきっと平均気温が高い時期もね…ゆえに生息分布域が変わるだけで、彼ら自体にはそんなに大きな影響はないのかもしれません。それよりも彼らが北に生息しだすということは、海藻はさらに生えなくなり、食料資源の分布域が変わる。
生態系がもっと違う方向で変化してしまうことが我々人間にとって脅威のはずです。
自分たちの明日食えるものがなくなるという脅威。
そろそろそっち方向でマスコミは動かないといけない気がします。

写真はHPのTopページにも出していますが、約20年前に沖縄西表方面で大規模な白化現象が起こった時の写真です。
サンゴは、渇虫藻が抜けてしまうと呼吸のバランスが崩れ、栄養分も得られなくなり死滅してしまいますが、イソギンチャクもまた渇虫藻類を住まわせていてこれが同じ時期に前回抜けてしまうという現象が見られました。イソギンチャクの場合は死滅せず、水温が安定してくると元の褐色が戻ります。でも栄養状態は悪いわけですね。
「わあーキレイ!かわいい!」と言われることの多いこの写真。
実はハナビラクマノミ君の住み家は非常に健康状態の悪い瀕死の状態だったのです。
この写真20年前から僕も撮れていない訳で、写真派ダイバーの方、今行かないと撮れないかもよ。
でも来年からも、ずっとこうだったら怖いよね!

| | コメント (5) | トラックバック (1)