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COVE2

Kujira04 The COVEを見て思ったことの続編です。クジラは大丈夫でも、イルカを食べるということに関して、多くの人はちょっと抵抗を感じるでしょう。あのかわいい姿をしているあんなにかわいい生き物を殺さないで!地球上でイルカは人間がコミュニケートできる生き物の一つなのよ。というのが本題でしょう。大量虐殺という方法をメインにすえて、そのメッセージを伝えたい。きっとマンディーとカークもそういった想いで撮影に参加したのが最初でしょう。また映画を見る限りそれ以外テーマやメッセージはないのです。

この映画の中では鯨類が生態系の頂点に近い生き物で、水銀の含有率(体内蓄積率)が高く、1960年代の熊本での水俣病患者の映像を引き合いに出し、食材として危険だということも出していましたが、水俣病は工場廃液が問題になった話で、食材からの水銀含有率とは繋がらないはずです。生態系の裾野から頂点を見ていけば、水銀の含有率の高いものはマグロとか他の大型の魚類もそうだし、僕たちが食べさせていただいている海の生き物のありとあらゆるところに関係します。

工場廃液が食にもたらす危険性は、すでに日本人は1950年代以降に水俣病他で学んできています。それが世界中の人に今でも影響を受けている生き物を好んで食べている(映像では工場の風景と水俣病患者、イルカの映像をフラッシュバックのように取り上げてました)といった誤解を持たせるような表現になっていたのは正直悲しいですね。

鯨の肉から成分分析したら20000PPMの水銀が検出。とありましたがどこのどんな鯨の肉なんでしょう?ちょっと信じられませんでした。このデータが本当ならこのクジラの死因は水銀中毒でしょう。僕たちが安全じゃないかも知れないと思っている線引きは0.4%だと水産庁のデータではされています。まれにこれに近いラインの水銀が検出されることもあるから妊婦さんなどは毎日のように継続的には食べないほうがいいよというのが推奨されています。これはクジラ類だけではなく、マグロなどの大きな魚も含みます。

さて、前回の中でイルカ肉と沿岸捕鯨の鯨類との絡みについて、ほんの少しだけ書いてみましたが僕なりに思ったこと、気になったことをさらに書いてみます。

イルカの分類でおそらく欧米人の考える線引きは、沿岸性の小型の鯨類をひっくるめてイルカとし、巨大なものをクジラと呼んでいると思います。多くの今の若い人もそうでしょうね。しかしながら日本人の鯨食を行なってきた文化では、イルカはバンドウ、スジイルカ、マイルカ、ハシナガ、ネズミイルカあたりを指し、ちょっと大きなハナゴンドウ、マゴンドウ、ユメゴンドウ、ツチクジラはその他の大型クジラに入れてしまいます。

僕は食に関しては、好奇心旺盛で、何でも食べられるものは食っちゃってきました。そんな連載をつり雑誌で行ない、単行本化もしています。「海の幸海の味」「渚のスローフード」・・・イルカの肉も刺身用の皮付きを薄くスライスしたものを食べた経験ありです。(バンドウ)連載ページでもすでに紹介しています。このイルカの肉はかなり癖が強く、臭みも感じました。これはかなり好みの問題もあるけど、好んで何度も刺身ではいただきたくないなと思ったものです。太地では好きだという人も多いのですが・・・それに対しハナゴンドウはまったく別の味わい。

僕も浜辺で漁師さんに誘われ、浜で解体されたハナちゃんの肺を茹でて(うでものという)からし醤油でいただいたり、いろんな部位をいただきました。こっちは僕の日本人としての味覚嗜好に合うのです。事実太地では同じゴンドウの仲間でもマゴンドウが捕れたら、お正月用に冷凍して置いておくというぐらい値段も異なるのです。

こんなところからイルカとクジラの線引きも行なわれてるんだなと思っています。鯨食文化として考えれば、房総半島で食べられるツチクジラも漬け汁に浸け、干して「タレ」として食べる独特の食い方が現在も残っているのは、やっぱりうまいから。

人間の食という文化は世界中で異なります。食文化の違いはその民族が何を食って暮らしてきたか?何をおいしいと感じるかの違いが根底にあります。

つまりうまいと感じるかそうではないのか?

そのギャップが欧米と日本とでは大きく異なることから今回のような映画を作るきっかけになっているんでしょうね。

ちょっと前まで「生で魚が食える?」と獣肉文化圏の人と飲食を共にする際には聞いていたものですが、いまや世界中の寿司ブームで普通にRAWFishは食べられるようになりました。炙り(あぶり)トロや炙りサーモンは多くの外国人が好んで食います!ミンククジラのさえずり(舌の部分)や尾の身を軽く炙って寿司にして食えばどれだけうまいか!一度何もいわずに経験させたら驚くと思う。今の飽食の中国人に教えたらきっと世界中のクジラを捕ると言い出すはず。(笑

Kujira03 写真は太地町にある、地元の人が行くクジラ料理のお店「しっぽ」でいただいたゴンドウのさまざまな料理。

ここで食えばクジラってこうやって食べたらおいしんだってきっと目からうろこですよ。ほとんどのメニューが500円ぐらいで食える。僕の「渚のスローフード」でもこのお店載せてるんで、詳しくはそちらをご覧ください。単行本持っていったら、きっとサービスしてくれるよ!

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