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2009年5月

無農薬の不耕起栽培

1h3x87271 命の息吹を感じる土地ってありますよね。

最近土の匂いかいだ覚えありますか?子供の頃よく近所の原っぱで走り回ったり、こけて膝すりむいたりってのが当たり前の日常だった頃、周辺ではウシガエルの大合唱を聞いたり、ザリガニ取りに明け暮れたり。

そんな経験からずっと離れていた日常生活から、僕の場合は全身に海の匂いを染み付かせることはあっても、土とはご無沙汰でした。

先月、ふと和歌山県の広報誌の仕事から偶然同じ号の表紙になっていた旧知のチェーンソーアートの作家さんに連絡を取ってみたら、急遽会うことになって、和歌山の龍神村に行ってきました。その時、まさかそんな話に発展するとは思わなかったのですが、人間が環境に与えるインパクトの話になって、ずいぶん話し込んじゃいました。

山の水・・・特に安全かどうかという点はかねてからずっと思い続けていたことで、おいしい水の飲める場所はいいよなと考え続けていました。もちろんその水はその地の環境がよくなければそのまま飲むわけにはいきません。農作物も安全な水と環境が僕たちに元気を与えてくれると思うのですが、同時に日本のあらゆる生き物にとっても大事な物のはずです。

今のレタスやキャベツ、なんだかプラスチックの作り物っぽく感じるのは僕だけでしょうか? まったく虫の食ってない状況をみて不思議に思いませんか?あまりにきれいな野菜や果物。これを作ってる農家の方々と消費者である一般家庭の両者の望む商品開発、流通形態がうまく合致してスーパーに並んでいるわけですが、驚くほどの農薬や薬剤が使われていることは案外知らされていません。また、その現場で使われている安全だと検証されている農薬が、ここ10数年で大きくさま変わりしてきていることを恥ずかしながら僕は知りませんでした。

ネオニコチノイド系の農薬が開発され、親水性が高いことから洗い流せるし、作物に安全だということで急速に広まってきました。これは家庭菜園用としても、害虫駆除のしやすさからあっという間に普及、ホームセンターなどでも普通に買えて劇薬扱いにもなっていません。  まあこの農薬の問題はそのうちきっちり調べて改めて記述しようと思っていますが、洗い流せるということはすべて写真のような水田に・・・そこから川、海と流れていくわけですよね。

いろいろ話しているうちにふと頭をよぎったことがあります。

世界中でいっせいに起こりだしたホワイトシンドローム・・・サンゴが高水温で白化してしまうのではなく、原因不明の白化を起こして死んでいってしまう伝染病めいた現象。  これがサンオイルのせいだとか、ウイルスのせいだとかさまざまな憶測が学者さんからもされてきています。この発生し始めた頃と、ネオニコチノイド系の農薬を散布しだした時期が奇しくも一致している気がしてます。

沖縄や海外でもゴルフ場やリゾート施設の建設ラッシュから芝生の養生に便利だと撒かれる種類がどうやらこっち方向に変わってきたようです。南に多いサトウキビ畑もね・・・

この農薬は水によく溶ける親水性の高さから沿岸の生態系に直接作用しやすいことは素人考えでも容易に推測できます。

この農薬が今や普通に大量に使用されていることから、僕たちの身の回りの昆虫や身近な生き物が激減してきていることに、多くの人たちは気づいていない気がします。

この農薬は上流で使えばその薬効が下流域の水にも当然影響を与えるわけで、下流域で自分の田畑に撒くのを制限しても意味がないことになります。  そのため無農薬の不耕起栽培を行なおうと考えても、上流からはじめないと意味がないわけです。

そんなわけで和歌山の龍神村界隈で無農薬の不耕起栽培をはじめようとする動きを知り、そこに参加させていただく機会を得ることができたんで、今週月曜からずっと田んぼに入らせていただいてました。アメンボやカエル、イトミミズ、カブトエビが普通に大量に泳ぐ水田のぬかるみに毎日裸足で入ってズブズブと作業に取り組んでみました。

いいですね、地球の息吹が聞こえるようで・・・

Hq9r83481 Hq9r83351 苗の段階から育てることにもかなりのこだわりがあって、その理由をしっかりと勉強しながら、汗を流すのもいいですね。

田植えのタイミングも苗の生育状態が大事で、人間の都合や休日にあわせたものではなく、苗の声を聞きながら行なうようなものです。

稲だけではなく、植物だけではなく、多くの生き物の息づかいがここから伝わってきます。海に山から流れ込む水の原点をここで感じることができます。

安全な水が芳醇に得られる場所というここから、下流に向かってこういった動きが少しでも繋がっていけば、きっと単なる安全な食品という観点だけでなく、生態系がどう変化するかも見ることができるはずです。Hq9r83201 Hq9r83271 下の写真は熊野三社のひとつ、速玉大社の宮司さんがこの地をお祓いしてくれ、水の入り口と出口にこういった護符を奉ってくれたというものです。

昔は紀伊半島で普通にこういった光景があったそうですが、今は見ることがほとんどありません。

水と命の繋がり・・・昔の日本人は普通に日常生活で敬いながら生きてきたんですね。

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クジラを見てきて

Makkou1 Makkou2 Makkou4田辺湾内で座礁したマッコウのニュースをTV局の方から聞き、すぐに駆け付けたかったのだが、串本で所用のため翌日に向かうことに・・・
そこではもはや我々がどうすることもできない状況になっていました。
過去マッコウは10年ぐらい紀伊半島の沖に棲息するグループを追いかけていたこともあって、オスがメスの群れに合流する所や、生まれたてであろう子マッコウのへその緒がついた個体などの水中写真を週刊朝日グラビア等で出してきた。
彼らがストランディング(陸に上がってしまう)する経緯に関しては原因や「なぜ?」ってことが学者でもよくわかっていないことで、僕自身も推測の域を出ないのだけれど、僕なりの意見も書いてみようと思ったわけです。
あくまでも僕自身の経験値と学者さんから聞いたことからの想像ですよ。

こういったオスの個体は大海原を単独で行動し、子供のころと繁殖期以外群れとは合流しません。水深1000mぐらいの海域が本来の生息域で、深く潜るために進化した彼らの音響探知能力は僕らの常識を超えたところにあると思われます。
金属棒をたたき合わせるようなクリック音を脳油を通して発することで、潜水艦のソナー以上に立体的に周辺の状況把握をするどころか、障害物や餌のありかを探知したりすることに使っていたりします。
一説によればこの音波を頭部でレンズのように集積し、ダイオウイカなどにショックを与えて採餌しているとも言われています。
眼は非常に小さく左右に退化、暗い場所、透視度の悪い場所で判断するのはソナーと聴覚のはずです。

音響探査に関しては優れているはずが、案外意外に思われることが起こるということがイルカたちの行動で確認されています。船についてきてしまい、入り組んだ漁港などに入ってしまった場合など方向性と出口がなかなかわからず、若い個体など1日ぐらいうろうろするだけということが結構あるようです。
より長い距離の音響探査ができるマッコウの場合、水深の浅い場所に迷い込んだら、周辺が垂直面で構成されている護岸工事のおかげで乱反射してしまい、どっちに進めば出口かが解らなくなったしまうんじゃないかと考えています。
退化した胸鰭は急角度での左右の方向転換は不可能ゆえ、まだ充分動けるんじゃないかという5m~3m水深でも身動きがとれなくなってしまう。
どっちに行けば外かが解らないんですよ。

弱っていると報道されていますが、ブローの感じや動く様子を見ていたら。あるいは空気中でもわかるほどの大音響のクリック音を聞いていたら死にかけとは思いませんでした。

ただ浅場にストランディング状態になってしまった今、もはやあの巨体を動かす方法がなくなりつつあります。空気中に出ると自重で呼吸困難に。。。
横を向かないと干潮時胸が苦しい・・・でも噴気孔が沈んでしまう。
ゆえに寝返りをうつみたいな動作になってしまう。
前日の外洋への誘導がうまくいってたら・・・って悔しい思いでいっぱいです。
こうなったらできるだけ早く楽にしてあげて資源利用の方向性で考えるべきだと今は思っています。
腐るまで放置して見世物状態で陸に埋めるなんていう愚行は避けてほしいなあ。
Tobiuo1 下の写真は夜、串本袋港に迷い込んだトビウオたち。
彼らも西風に追われてここに入ってしまったら、夜間はこうやってじっとしているようです。(出ることができない)
夜のトビウオきれいですよね!

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まいったなあ…でもこんなの狙ってもいた

1h3x8535新造ハウジングZERO1を持ち込んだ
白崎海洋公園ロケ。
二度のテスト撮影で露見しなかったトラブル発生!
今までは中身を入れず20m水深まで持ち込んで長時間滞在してもなんともなく、実際の撮影は15m水深で二度行なってきていて、なかなかの使い勝手だったのだけど、20mオーバーの水深でいきなりシンクロミス・・・
水深を上げてもストロボが発光しない。
一本目終えてホットシューのシンクロコネクターがわずか1mmほどずれているのを発見!これが原因か・・・振動で外れたのかと思ったのだが
二本目も同じ現象。ギリギリいっぱいに設計したクリアランスが裏目に出たようで、バックハウジングとフロントハウジングの間のOリングが水圧でつぶれた際、接触しているコネクターがずらされたようだ。
白崎にしては驚くほど高い透明度の中、ストロボが発光しないほど悔しいことはない。
その夜クリアランス部分を削って改良。
問題は解決したのだが、この際と、以前から考えていた撮影手法にチャレンジ!
1h3x84482 流れるように動き回るタカベをその動きを生かしたまま
肉眼で見た感じの動感を表現するため
ビデオ用のHIDで撮影。
こんな感じに撮ってみた。今までならこんな作風は南の島の、極く浅場で自然光で流し撮り以外はなかったはずだが、暗い近場の海の20mオーバーでこんな写真が撮れるようになったのです。
今日一人居残って正解でした!
このバリエーションもっといっぱい撮れました!いいカットはまたもやダイバー誌面で出しますね!

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