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2008年11月

今年もはじまった

715659750_229今年もまたまたそういう季節が来たなあ
という感じなのですが、いよいよエルトュールルプロジェクトが始動しだしました。
毎年1月から2月にかけて発掘調査作業が行われるこのプロジェクトメンバーに入って今年で3年目。
昨日は調査発掘の責任者Tufan氏とともにまずは打ち合わせ。まだ現場に入ってませんが、昨日和歌山県や和歌山市の議員さんたちと会食、だんだん協力していただける人の輪が広がってきました。
このプロジェクトで毎年頭を悩ませる問題がメディアのコントロール。
新聞やテレビなどで取り上げてほしい話題ながら、その発掘現場が海の中ゆえ、水中取材の申し込みも多いのですが、際限なく受入れを行うと実際の発掘作業が止まってしまいます。ゆえに今年も取材日程には制限をかけることになりそうなのですが、各メディアは中身の公表を当然要求してきます。
僕自身はじめからこのプロジェクトメンバーに参加してからスチル写真とハイビジョンカメラでの水中記録を残してきているわけですが、目的は2010年のトルコと日本の友好年に制定されている年度に両国でかっちりとした図録を出版すること。
両国の友好関係をさらに密にするために写真展や映像でのイベント開催。
国際的に影響力の大きいナショナルジオグラフィック誌やアトラス誌面での露出。
映像もできる限り影響力の大きくなる媒体を選んでの露出を考えています。
中途半端にニュースソースでお茶を濁したような露出は避けようと思っているのですが、
プレスリリースを求めてくる報道陣は、水中取材をする予定も人員もないところほど
無茶な要求をわれわれに投げかけてくるので困るところです。
すべての作業が無償で行われているわけではなく、ボランティアで賄えるような内容ではありません。でも、多くの一般人が知りたがってることだからと、公開を役所の担当部署を通じて突き上げてきます。
公開しないというわけではなく、時期が来たら、すべてのデータをまとめより多くの方々にこの歴史的な史実をわかりやすい形でまとめてからそれなりの形態で行なっていくわけですから、そのあたりをご理解いただけたらいいのですが・・・

でもまあメディアとしてはおいしいニュースに映るらしく、他社を出し抜いて新しい情報を何とか得ようとさまざまな攻勢をかけてきます。
NHKだけがずるいとか、(水中班持ってますからね)いろんな声聞きますが、きちんとした情報をそれなりのかたちで視聴率の高い時間帯の枠できちんと報道するのですからそこで流れるのは当たり前の世界です。
バラエティー番組でタレント使ってクイズ番組作っていくことしか考えない民放を避けようとするのは当然でしょう。
夕方のニュース番組といわれる4時からの時間帯の情報番組・・・ゴシップだらけのあれがニュース番組だと分類するのがおかしいと思わないんでしょうかね?

トルコ研究所の代表Tufan氏と昨夜話しててなるほどなあと思ったのが
トルコにも国営放送があるのだが、こちらは視聴率の低迷に悩んでいるそうです。
ところが日本では現在、一時にはあれだけたたかれたNHKの視聴率が上昇。
民放の視聴率がずいぶん下がってきています。
自分にあてはめてみても、ゴールデンタイムといわれる時間帯の民放の番組をほとんど見なくなってきています。
ありきたりのタレントが馬鹿話をしていたり、クイズ番組や底の浅いグルメ番組しか流れていないのですからテレビつけてもうるさいだけなので、切っちゃうこともしばしば・・・
音楽に切り替えたり
チャンネル変えてみるのが案外NHKという比率が高くなっています。

Tufan 氏はなぜ日本ではNHKが一番影響力があると思うのか?
と僕に対しても聞いてきます。
もっとも当たり前にもっともわかりやすい形で知りたいことを特集という時間枠で伝えているからですよといいながら、面白さというおちゃらけのみに逃げている民放の番組制作方法も、じっくり考えれば、悲しいかな現実を改めて見直すことになって、そこで生きている自分も矛盾を感じたりしています。

しっかりした番組の構成を考えて取り上げて動いてくれる民放さんがいればもちろん喜んでご協力するのですが・・・
ここにスポンサードしたいという企業も多いと思うんですがねえ・・・
企業イメージも上がるし・・・

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ちょっといいもの見っけ!

今現在、月刊ダイバーロケにて石垣島を訪れているのですが、滞在中のホテルにて発見した一枚のカード。

なかなかこういう動きをリゾートホテルで見ることは少ないのですが、いい感じを受けたのでご紹介です。1h3x9019

以前このブログでご紹介したこともあるのですが、沖縄方面、南西諸島でのサンゴ保護活動、環境保護を訴える活動がいろんなところからスポンサードされ、サンゴの植え付けなど、様々な取組みが行われていることはこのBLOG読者の皆さんもご存知になられていると思います。

以前にも書いてみましたが、サンゴは決して弱いだけの生き物ではなく、その生命体としての力強さ、生命力は侮れないものがあって、環境さえ整えばわずか数年で、すごい大群落を種類によっては作り出してしまうのです。

ところが世界レベルでどうしてサンゴたちが死滅してきているのか?

地球温暖化?台風が来ないから海水が攪拌されずに高水温化して死滅する?

今多くの研究者が提言している仮説ですが、それは、人間が作り出している、本来海に存在しない物質が流入していることによってダメージが与えられているのではと言う説があります。ネイチャー誌でも記載されていましたが、たとえばサンオイル。合成洗剤、多くの陸から流れ込む物質の中にサンゴに悪影響を与える物質が多く含まれているというものです。

かつて昭和の時代に琵琶湖の水質汚染が問題になっていたことがありました、葦が生えなくなってきて、生態系が大きく変わったのです。京阪神の水がめでもあることから行政も協力、沿岸一般家庭での合成洗剤廃止、石鹸を使う運動を起こしたところ、五年で大幅に水質改善が行われ、琵琶湖の湖水がきれいになってニゴロブナや葦に暮らす魚たちが戻ってきました。

僕達がレジャーで訪れる南西諸島には現在リゾートホテルがたくさんできています。そのホテルに宿泊した際、ダイビングから帰ったり、海水浴や釣りから帰って潮を落とすために、必要以上の有機リン類を含むシャンプー、リンスを使ってないでしょうか?

大人数がこういった排水を海に流すことによってサンゴたちやそこに暮らす魚達に悪影響を与えているとしたら、ちょっといい気はしないですよね。

また宿泊先のシーツが毎日変えられているのは気持ちのいいものですが、連泊した際、自宅と同じように数日なら同じシーツで眠るのは別に苦にならないはずです。この洗濯、漂白を減らせば環境に与えるダメージは大きく変わるはずです。

今泊まっているホテルでの取り組み、こういったのがもっと広がればいいですね。部屋のシャンプーも微生物が分解しやすい石鹸シャンプーなどが選べたなら、さらに多少は環境にやさしくなるのではないでしょうか?

沖縄方面にいく航空機路線の中でのサービスに、ドリンク以外に機内誌に説明記事と滞在中だけでも使える簡易包装の石鹸シャンプーを配るなどやったら、少しは沖縄のサンゴも回復するかもしれません。少なくとも、サンゴたちが暮らせなくなった環境にしてしまったホテルの前に、サンゴ植え付けよりは効果的な気がするのですが・・・

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朝日新聞一面掲載

Syakogai6本日の朝日新聞一面に神戸須磨沖に現れたヒレジャコガイを掲載した。このヒレジャコガイを撮影した時の顛末を少し・・・

ヒレジャコガイの説明から行きますと、2003年に同じく朝日新聞一面で串本に発見された同種ですでに掲載されているのですが、串本潮岬西岸部分は水中の生物区分句でいえば亜熱帯区に入るわけで、ここで発見されてもおかしくはないのですが、串本の海域でもこれまでに二個体が発見されているだけなのです。

南方種であり、シャコ貝の仲間が大きく広げる外套膜は、そこに褐虫藻と呼ばれる藻類を住まわせ、この光合成で得られる栄養分をいただいて大きくなっている貝であり、サンゴと同じ栄養源を利用しているのです。
したがって、日照時間、透明度が良くなければ光合成ができなくて暮らせず、水温もきっと高水温でなければ生きられないはず。
それが串本から100キロも北上した大阪湾よりもさらに瀬戸内海側の神戸の須磨海釣り公園前で発見されたのです。
情報をいただいたのは須磨にショップ&サービスを構えるアトモスの南さん
先週の土曜日三時頃に電話をいただき、大急ぎで機材を車に積み込み向かったわけですが、到着後南さんにガイドされ向かった海ではすでに日没前。
撮ったのですが写真はナイトダイブ。
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ごらんのとおり外套膜も広がっておらず、シャコガイらしくない。したがって平日の天気がいい日に再撮影に向かったわけです。今度は準備万端、ハイビジョンカメラも用意。

動画でも撮影しました。

アシスタントを務めてくれたのは、四国オランクダイバーズの五月ちゃん。現場海域から30分ぐらいのところに住んでるので協力要請したら快く引き受けてくれたのです。

透明度は当日少々風波が立っており、3mぐらいとあんまり良くなかったが、無事撮影はされて本日の一面真ん中掲載になったわけです。

この二点の写真は掲載写真ではないですが、写真が物語ることがいくつかあります。
まずは下の写真を見ていただくとその大きさ。
スケールで測ったら最大長で14cm。砂地と岩の間に生息しています。上の写真とちょうど反対側から撮影していますが、この種の特徴である貝殻の外部に突起したヒレ状の出っ張りがわかりやすい角度でこちら側から撮ったわけです。
また砂地と岩の間に生息する状況もヒレジャコガイの特徴的なところ

ヒレは体を砂地に固定しやすいように生えているのでしょう。
オオシャコガイが岩の間、隙間に固着するように抜けないようにいるのと違って
生息環境が悪ければ移動するのです。しかしながら他の貝と違って這うように移動ができるわけではありません。
ひょっとしてアクアリストが海に放流した?
とも考えたのですが、再撮影した別角度を選んだ上の写真を見ていただくとわかるのですが、本日の新聞紙面上で東京海洋大の土屋先生のコメントにあるように
貝殻に多数のフジツボが付着しているのです。
このため一年以上はこの場所で生息しているのではないかと思われるのです。

ずいぶん北上したところで発見されたヒレジャコガイですが、ここで生息できた条件として考えられるのは、ここ数年の冬期の水温低下が少ないこと。これがまず一つ。

もう一つはこの海釣り公園を囲むように六甲方面からの土砂を船に積み込むためにあったすごく長いベルトコンベアが撤去され、潮通しが良くなり、昨年から透明度がかなり上がったそうです。このことから海藻も豊富になり、魚も一気に増えたそうです(南さん談)。
これが大きいような。

人間の沿岸開発やっぱり見直さないといけませんね

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