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2008年4月

JAPAN times

Japantimes_2 昨年から本格参加しているプロジェクト、エルテュールル号引き揚げプロジェクトだが、このブログでもバックナンバーでどのようなことをやっているのかを過去に少しご紹介させていただいている。
今日 日曜日のJapan timesに掲載された掲載紙が編集部員であるMiss.Winifred Bird から送られてきた。
モノクロ使用なのだがまるまる1ページが特集として取り上げられていて、その構成と内容がしっかりしているものになっている。
使われたのは1カットのみだけれど、水中を効果的に使っている。
タイトルはJapan’s tragic "Titanic of Turkey"
この写真を使いたいと言ってきてるとトゥファンから串本ロイヤルホテルで彼女を紹介されてから、彼女とやり取りしながら、ようやく記事として露出されてきたわけだ。
ビジネスとしての話を当然プロである僕はさせていただかないといけないわけだが、当初どのような扱いで使われるのかがわからなく、数度その後携帯にかけてくる彼女と僕のつたない英語力での交渉となったのだが、無事交渉成立。
きちんとギャラをいただいて掲載と相成った。
このあたりはきっちりと仕事の結果で評価してくれる欧米人の仕事ですね。
多くの日本在住の外国人の方に、このトルコの軍艦の遺物を引き上げるというプロジェクトを知っていただけたと思う。
こういった交渉をする際、ニュースソースとしての扱いはそれぞれ違うのだろうけど、日本の多くの新聞やメディアは外部からの素材の提供を公共のためという理由なのからか、買い取るということをしたがらない。
プロが撮った写真の場合で、それなりにクオリティーが読者投稿写真と明らかに違う場合でも認めようとしないようで、僕もきちんとイーブンな立場でいろんなメディアの方々と話せるようになったのはつい最近の話。まあ、プロとアマチュアの線引きは非常に難しいところがありますが...
基本的に放送局報道部も新聞社も今では水中班というものをNHKさんにならって作ろうとするようで、自社制作にこだわるようだ。
もちろん、それが効果的に働くケースもあるだろう。版権と二次使用三次使用の問題。素材の使用料というコスト。でも、NHKさんの水中班と明らかに違う点がどの局、新聞社にも見受けられる。それは水中という環境の錬度というか、トレーニング量。
たぶん上層部は、日ごろ陸カメラを使いなれている報道の生え抜きだから、最上級の機材を揃えれば、すごい映像をとるはずだと思っているのだろう。
報道は花形ですからね。予算もすごい機材を惜しげもなく注ぎ込んでいる。
しかしながら現場で遭遇すると、多くの報道陣の水中カメラマンたちは驚くべき行動を取り出すのだ。我先に、だれよりも前で撮ってやろうとバタバタと出てくる。立ち泳ぎで中性浮力も十分に取れていない。当然辺りは底の砂や泥を巻き上げもうもうとなる。
よくニュースで見る芸能人を追いかける、あの光景の水中版だ。 しかし水中だから画面にまともに悪影響が出る。でも、写真をあるいは映像をだれよりもいいポジションで撮ることのみに夢中だから、みんながみんな悪循環になるのだ。
今回の取材時も某取材チームのいくつかが、遺跡ともいえる(歴史はそれほど古くないが)発掘現場で、中性浮力が取れないゆえ、発掘現場の遺物の上にドタッと寝そべったままシャッター切っていたり、発掘物の上に乗っかっていたりする現場を多数見てしまった。ずっと記録を取っていた僕は映像でも残してしまっているが、ある意味使えないんですよね。(トルコで放送されたら日本人として恥ずかしいなあ)
これが飛鳥古墳だったら...そんなことやったら袋叩きですよね。遺跡の壁面にもたれたり、上に乗ったりしたら...。

なぜ報道チームを入れる日を研究所所長のトゥファン氏が指定してその日以外入れたがらないのか、報道チームもわかってくれているのだろうか?

それぞれ良好な関係を作られているチーム同士なら、その順番や時間割を作ることで、逃げない被写体の場合、より効率よい取材ができるはずだ。そのことがわかっているチームが幸いこのトルコ軍艦取材の際に来ていたので、報道j開放日にNHKさんをはじめ、朝日新聞社さんとかお互いに仕事上のお付き合いさせていただいているチーム間に恐縮ながら僕が話をさせていただいて、タイム割をさせていただいた。結果いい取材になったのではないだろうかと思ってます。
さらにご提言をさせていただけば、こと水中という環境での取材なら、水中映像祭などに出展しているプロの映像を見ていただけばわかっていただけるはずだが、僕ではなくとも、その道のスペシャリストに発注した方が、3年~5年サイクルで機材を買い替え揃えるより、ずっと安いコストでいい映像と素材が視聴者読者に届けられるはずですが.....
BBCやナショナルジオグラフィックチャンネル、アニマルプラネットがすごい映像を流し、映画でその集大成がヒットしたのも外注のプロフェッショナルに発注してるからなんですよ。
NHKは別格。世界最大の水中班ですからね。160人の選りすぐられた水中の精鋭で構成されてますから。(やりたいという志願者は4倍はいるらしいが、落されているとか)

これを民放がまねようとすると、膨大な予算が必要だということに
気づいてほしいな。

そろそろ、民放さんの報道トップの方も、新聞社のデスクの方も外注のメリットに気づかれる水中撮影経験者が増えてきているはずです。
いいカメラマン紹介しますよ!日本各地の。
もちろん自分の地元の仕事くださいねという本音とオチも付くのですが...笑。
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春季特別展

Azahata2串本海中公園錆浦研究所は1970年に日本で海中公園法が設立された時に、日本で初めてできた海中公園研究所だ。その後、黒島やいろんな場所に海中公園研究所ができたが、ここがルーツともいえる。
ここに併設されているマリンパビリオン(水族館ですね)が全面改装されOPENしているのだが、ここで4月26日から春季特別展が開催される。その中で僕も串本の水中の景観と生物を来場者に見ていただけたらと10分前後の作品を公開させていただくことになった。
http://www.kushimoto.co.jp/index.html

大きな大スクリーンで終日16:9のハイビジョン映像を壁面いっぱいに流し続けると思いますので、ぜひ串本にお越しの際はお立ち寄りください。水中に潜ったことのない方も、きっと目の前の海にどんなふうにサンゴが広がるのか?生き物たちによって連日繰り広げられるドラマに驚かれると思います。

さて、いつものように思いつくまま...
日本に海中公園法というものが制定された背景には高度成長期の真っ只中、自然を保全するという目的のもとに、当時万博が行われる年であったことや、産業廃棄物が問題化されだした時期だったことが背景にあるのだろうと思われますが、海中公園地域に制定された場所は沿岸に建築物を作ったり、沿岸地形を変化させたりすることを防止、抑止することが目的だったと今も環境庁のHPに記載されています。
はたしてこの法律って今はどうなっているのだろうか?
財団法人海中公園というのは解体され、この串本海中公園錆浦研究所も今は株式会社としてマリンパビリオンに併設される形で存続しているが、他の地域は大変なようだ。
日本は海洋に取り巻かれた島国であり、その周辺海域は事実上経済水域という面でみれば世界で6番目の面積を保有しているとは、以前の日記でも書いたとおりだが、この沿岸域の乱開発や資源管理は全然と言っていいほど自然や環境にやさしいものではなかった。
平気で道路を沿岸で広げたり、駐車場を埋め立てて造ったり、流れる排水は特定の工場、産業以外はあんまり制限がなかったり、護岸と称して必要のない防波堤を延々と伸ばしてみたりしてきたわけです。

魚たちがそこで暮らすために必要な沿岸という場所...ここをかんがえると、海は広くて大きくとも、子供たちが育つ場所は沿岸域であったり、浅い水深に上がってきて産卵する訳で、外海の表層を見ても、切れた流れ藻に幼魚たちが守られるという部分があって、水産資源をトータルで考えても沿岸は非常に大事なのです。
また、漁業では養殖が盛んになることで、この沿岸域の生態系にも大きな影響を与えています。漁獲方法についても巻き網の規制を行うとか、問題点は多数目についてきています。これらは誰が提言規制するのか?
しかるべき地道な努力で研究を続けている研究者のデータをどういかすのか?

全然と言っていいほど実用化されていないのが悲しく思います。

昔「わんぱくフリッパー」というイルカを題材にしたTVドラマ、映画がありましたが、主人公の少年が自然とイルカとの付き合いを通じて、さまざまな問題に直面。これを解決していくというストーリーで、いかにもアメリカらしい物語でした。
この主人公のお父さんは海洋研究者であり、沿岸のレンジャーだという設定だったのですが、密漁者を取り締まったり闘ったりというシーンも印象に残っています。
ところが、日本の海中公園法が制定した中にはこれを守る部分が欠落。研究者が潜る際にも漁業権が強い場所では、許可を取ることが大変だったりするそうです。またその調査費用も確保するのが大変だったりするわけで・・・。
また、あらたに沿岸整備が行われる際、海域の沿岸の護岸工事がどのような影響を与えるかを調べるとかで、その裏付けとして、地域と関係ない大学の先生に裏からお金が流れて.ちょこちょこと調査を数回して「ここは作っても大丈夫」という許可が出たりしますね。

漁師に対してはかなり離れた海域に暮らす漁師でも、漁業補償として発電所建設時には膨大な費用が支払われたりします。

本来その地域の研究者はレンジャーとしての機能も必要なのでは?と最近思っています。日本には自然を守るレンジャーが名称だけ存在で、本当のレンジャーはいないんですよね。
こんな漁獲方法していたら駄目だとか、この海域のこういった漁獲方法は休めないとだめだとか、規制する権限のある省庁との連携ですね。環境庁との連携という点では現在もされていますが、海上保安部との連携も、(別の機関になるかもしれませんが)取り締まるということをやらないと、将来的な日本の水産資源はダメになると思います。

また、酒屋さん開業にあたって周辺同業者の距離が申請上必要なように、養殖いけすの沿岸での過密を防ぐ方法を考えて、守っていかなければいけない時期だと思うし、海中公園法あるいは水産資源保護のための漁獲方法の見直しをしていただきたいなあと思ってる昨今です。
今回の展示は、日本の漁業や水産資源を守るためにも、串本沿岸で豊かな海がなぜ守られているのか、守られていない部分はどういったところなのか?そういった話の材料の一つになってくれたらなあと思いながら編集してました。
皆さん見に来てね!!Kame2

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サンゴの生態

Sango2 先月、僕たちが審査させていただいた串本フォトコンの授賞パーティーが行われたのだが、
その授賞パーティーにたどりつくまで、たくさんの笑いと珍道中にまきこまれ、うちの戦車号の中は常に笑いの渦が舞っていた。
僕が串本大使だと言い出したとたん、中村征夫さんと鍵井君がつっこむつっこむ。
僕はなんとか串本大使の業務を全うしようと、トルコ記念館に連れ込もうとするのだが、
なんだかそちらには向かわず、マグロ中落ち丼を食いに入った「水門まつり」、ここでも爆笑の渦。原因は僕のマイ箸なのだが・・・
須江ダイビングセンターの居心地の良さから根が生えたかと思えば
最後には串本でいちばん新しいベーカリーカフェで征夫さんにゴチになっちまった。
気がついたら串本大使にあるまじき行為...どこも名所に行っていない。
そのまま会場入り、授賞パーティーは大いに盛り上がり、関西ならではの
ボケと突っ込みあり。
征夫さんいわく、まるで、「アカデミー賞のような盛り上がりだったなあ」と・・・

さて日記っぽい記述はここ迄にして、いつもの堅いお話をば一席。道中海中公園錆浦研究所に少しだけ寄ったんだが、裏から入らせてと御前先生にお願いしてここでバックヤードツアー。その際、征夫さんから聞いた話に「へーー」カウントが大幅にアップ。

なんでもサンゴの白化現象がなぜ起こるのか。
これはこのブログでも以前に取り上げているのだけれど、多くの研究者が高水温によって
褐虫藻を排出してしまう。(抜けるという表現を使うこともある)これはあくまでもそうだろうという想像上の話をしていたのだが、(誰も見たことはなかったのだから)新しいCTあるいは超音波を使う超マクロレベルの立体顕微鏡で観察すると、抜けて離れていくのではなく、どうやらサンゴ虫にくわれるのかわからないが消滅していくのだという。
この研究は原因を見つめていって、たまたま異業種から見ることができる機器が開発され、その反応はなぜ起こるのか?どんな物質に影響を受けるのかというところに進んできたようで、どうやら人間が作り出しているさまざまな空気中の物質が海に流れ込んで、そういった反応をサンゴが起こしているらしい。サンオイルが含む成分がサンゴに微量でもダメージを起こしているとネイチャー誌で紹介されていたが、それ以外にも悪影響を及ぼす物質をたくさん海に流しているようだ。
多くの研究者は想像していたものの、実際に映像で見ることができるようになる機器の開発であきらかになったらしい。
ちょっとショックですね。

まさしくサンゴを植えようが、株分けみたいなことがなぜうまく行かないのか、環境が大事なんだということを以前にもこのブログに書きましたが、僕の知る範囲ではあくまでも仮説だったのが、実験データとして生きたサンゴの内部を見ることができるようになったため裏付けがでてきたわけですね。

串本では健全なサンゴ群落が驚くほど近年広がっているが、ここは人口も少なく、工業廃水などもなく、サンゴたちの楽園になっているのだろう。
写真は、クシハダミドリイシとフクロノリが同じ場所で生息しているところを撮ったものだ。
ちょっと前まで串本の海を説明する際、春にはサンゴと海藻が一緒に見られる海なんですよと言っていたのだが、ここ十数年、海藻の量が驚くほど減少して、ホンダワラなどほとんど見なくなった。
今年はフクロノリが例年以上に広がっているように思える。こんなに広がっているのはここ数年はなかった気がする。温帯と亜熱帯のせめぎあいがこの海では続いているんですよね。
水中生物区分区では亜熱帯区に入る潮岬西側エリアだが、こんな風に海藻も、一時期だけどまだまだ勢力を広げるんですね。

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