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2008年3月

食のつながり

Hq9r3917食生活を考えることが、年をとるとともにだんだん深いところを考えるようになってきた。
若いころは食い物というとうまいかまずいかであったり、安いか高いかという判断基準しかなかった。これは目の前に出されて考えていたのが、単に自分にとってどうなのかという判断基準だったからかもしれない。

海に潜るようになって、このダイビングの経験値が増えてくると、当然のことながら人の潜らない環境に潜ったり、漁師さんとの付き合いが出てきたり、研究者の人たちと一緒に潜ったりと、普通のファンダイビングと違う潜り方をする機会や、話す内容も、相手も変わってきて、さまざまなことを考えさせられるようになってきた。

先日テレビ東京系で作られた「カンブリア宮殿」という番組を見てまして、(制作に絡んでるわけではないのですが)
伊藤忠の会長が今の日本の、あるいは世界の食に関して諭すようにゆっくりと重みのある言葉でしゃべっている内容に、思わず相槌を打っている自分がいました。
丹羽さんがしゃべってた内容を大まかに説明しますと
数字としての日本の食料自給率は39%とかよく耳にしますが
その中身がどうなっているのか、また日本のこれまでの一次産業軽視の傾向が続けば、いかに危険かということで、たとえば、マクドナルドハンバーガー一個食うと熱帯雨林がどれだけダメージを受けるかなんてことを言われても、多くの人はピンとこないことでしょう。その番組の中で紹介されているのですが、肉一キロを生産するのにどれぐらいの食料資源を使っているのかと考えると、20倍の穀物と1トンの水を使っているようです。
肉は生産しているから飼育しているから大丈夫と思っている方も多いでしょうが、その飼育するための飼料を手に入れないといけないのです。
また無尽蔵にあるように感じられる水ですが、日本は水が豊富にある国だと思われている部分もありますが、意外にも安全な水は都市部には減ってきています。水を買うという習慣が普通に根付いていますよね。

これらの基本的な資源は(穀類や飼料として使われる物も含めて)都市部に暮らしていると普通に手に入るものだと思われています。でも、東京は食糧自給率がわずか1%。
どこかから持ってこないと、買い付けないと何にもないわけです。
これは日本に広げても同じことで、作っていると思うものでも植物以外は、畜産も米から導入した飼育やブロイラーには材料がいるのです。
同様に漁業の養殖もいけすの中で必要な魚種だけを増やそうとすると、数10倍の材料がいるのです。
餃子で揺らいだ中国からも買わないと僕たちの生活は成り立たないし、アメリカから穀物や牛肉、豚肉を買わないとだめだから、対米、対中で日本は強硬姿勢は絶対とれない仕組みになっています。
これまでは輸出は工業製品を優秀なものを開発、コストパフォーマンスで勝負して成り立ってきた日本経済ですが、韓国やインド、東南アジアの国々に追いつかれ、家電などはサムソンなどに抜かれてしまっています。
僕らは少し政策が狂えば、いつ兵糧攻めにあってもおかしくない環境で暮らしているともいえるのです。
丹羽さんは米を死守せよということをしきりに言われていましたが、そのとおりだと思います。日本の農地の作付け面積を考えると、広いようで狭いんですよね。
バイオエタノールにも触れられていましたが、トウモロコシを食べたらどれだけの食料になるか・・・それを車を動かすために使うと・・・
日本の全農地をバイオエタノール製造に仮に使ったとして、そこで作られる燃料は7500万キロリットルだそうで、今の日本の消費は年間1億キロリットルだとか・・・
限られた農地では、そのまま食べられる食材をいかに効率よく育てるかを考えないといけない。そのためにコメの生産を守れということです。

同様に水産資源、こちらもマグロやハマチ、タイなどの特定魚種を増やすのはもうやめて、トータルで獲れる漁獲高を増やす方向に切り替えるべきです。タイやマグロは値段が高い魚種でいいじゃないですか。
それを庶民の魚にするために、湾内で養殖ばかりして、どれだけの沿岸をだめにしているか、巻き網でいかにダメージを与えてるかを考えるべきです。

僕もこういった啓蒙活動もっとやらないとだめだなあと痛感しました。
僕にできること、下記のように向こう5年ぐらいでイメージしてやっていきたいと考えています。

シンプルに海でうまいもんを食う

そのうまいもんはどうして流通しなくなったのか?
なぜ資源量が減ってきたのか?
養殖のどこがいけないのか?
ここをシンプルに伝えていくこと・・・これがその1

沿岸の護岸工事によって垂直な防波堤や、波を消波するテトラポッドがどういう風に
生態系に悪影響を及ぼしているか?
それをどう変えていくべきか・・・その2

資源量を減らさない漁業の形態を漁師たちやつり人も含めた
漁獲者たちに啓蒙していく・・・その3

自分たちの食材の出どころと流通、先々のことを消費者に考えてもらう・・・その4

このあたりを地道にメディアで伝えていくことが僕の5カ年計画です。
今年の水中映像祭に出展する作品
このブログと連動で見ていただくとちょっと見方が変わるかもしれません。

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