ダイビング用スーツ

1h3x6665ウエットスーツやドライスーツというものは僕の場合仕事着ともいえるのだけれど、メーカーさんと共同開発とか、潜る回数の多い僕たちのフィードバックが、製品に生かされるケースも多い。
当然のことながら通年潜るわけだから、さまざまなタイプのものを季節に応じて着替えたり。改良を加えたり、素材を吟味変更したりしてきている。
俗にいうロクハンという6.5mm被りのスキンスーツだって、考えたらいくつものメーカーのものを試してきた。サンファンで二着、ワールドダイブで二着、UGO、サンワードで各一着、最近はGULLさんが出している裏がウレタンコートの金色素材のものを気に入って着ている。これは破れず、パウダーなしで着れて、濡れていても乾いていても脱着がスムーズ。

行った先々でロクハンを着ているダイバーが多くなってきたのは写真派ダイバーが増えた時期と重なるように思う。
素材は日本製のネオプレンは非常に優秀で、海外のものと生地で言うと雲泥の差がある。それとカッティング・・・立体裁断の手法もまるっきり違っている。この差がいつまでついた状態でいられるか、服飾の世界のように技術が盗まれると中国製などコストの安いところで作られるのが主流になる時代が来てるのかもしれません。
コストでいえば、僕も6.5mmじゃなく8mmや10mmといった俗に漁師スーツと呼ばれる地方の手作りスーツも以前試したことがある。
でも今着ていない、それはなぜか?作業着なら安くってその方がいいじゃないかという意見もありますね。僕の場合特殊体型なのかもしれませんが、オーダーで作ったはずが腕を曲げてカメラをかまえる姿勢をとってみると、脇の部分にものすごくたるみができて、なんだか血流まで悪くなる気がする。血が止まっちゃうんですよ(笑)
これってへたすると減圧症を誘発する?
さらにガボガボの部分ができて、せっかく8mmあっても水の入れ替わりが激しくって全然あったかじゃない。
 時々漁師スーツを女性が着ているケースも見かけますが、寒そうだなってみてます。女性の体形に合わせたカッティングじゃないもん。
ロクハンで体にぴったりとフィットしたきれいな立体裁断のスーツ姿の女性を見たら「おっ、かっちょいい!」って思うこともしばしばだけど、余りまくってるのは、あるいは窮屈そうな部分があるのは、ちょっとかっちょわりーと見えるのと、案外暖かくないと思うんですよね。
値段は確かに雲泥の差、安いスーツがいいって飛びつくのはいいんだけれど、ウエットスーツの場合、体に密着して動きやすくなければ意味をなさない。だから漁師スーツは一着作っただけでもう作りません。
ちなみにハンガーにかけてみるとその差が歴然とします。
いい裁断のメーカーは自分の分身がそこにいて、軽く肘を曲げたような動きのある形状を保っています。漁師スーツは鉄人28号がそこにいます。
ブランド名だけで高いよスーツ専用ブランドはという意見も聞こえてきますが、
これは比較の仕方が違うと感じています。
作業着量販店「たまゆら」(関西ローカルか?)でつり下げてあるコピーものフライトジャケットと本物のアルファ社製フライトジャケットがどちらがいいか?
その差がわかる、気になる人はアルファを選ぶでしょう。
生地や素材で考えたらナイロン85%ポリエステル、綿15%で同じかもしれませんが、
強度が必要な部分の補強であるとか、微妙なラインが違いますよね。

雨具で同じゴアテックス使ったものでもブランド品はそれなりにそのメーカーのこだわりが細部にあります。ファスナーの付け根部分や、湿気を抜くベンチレーションの仕方とかね。
写真は最近僕の提言で試作していただいているWD製のセミドライスーツ。
これになぜバルブが付いているのかとか?どうしてこんなスーツが必要なのかは来月刊行予定の新しい本の中や、このブログなど徐々に明らかにしていきますのでお楽しみに!

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渚のスローフードフォトセミナー

Hamaguri2「渚のスローフード」という昨年出した本がきっかけで、四国甲浦にてダイビングと地域の食に関する話やイベントをやりたいねと、甲浦のおらんくダイバーズさんとジョイント。
旬の食を楽しむと共に、日頃気にしていない食材としての水中生物を見つめてみて、ちょっと違った観点からダイビングを楽しんでみようというイベントだ。
ここで楽しんだものの一端をご披露してみると、まずはハマグリ!旬の食材ということで、ビーチでウエットスーツを着て裸足で腰までつかり、足裏の感触で探していく。
石と勘違いしながらも順次探していくと、こんな純国産蛤が見つかるのです!
日本沿岸にはチョウセンハマグリという種以外ほとんど絶滅していると聞き及んでいたのですが、ここには自然のままの純血種がいるんですね!
夜はこれを炭火で焼いて醤油も何も足さない状態でいただきました。この滋味は貝の味の常識を覆す驚きの味。Hamaguri_2 もし料亭で食べたらこのサイズ一体いくらになるんでしょう?
沿岸の砂浜が
どんどん侵食され
、消えゆく理由を考えてみれば間違いなく日本人がおこなってきた護岸工事という名の乱開発です。僕たちダイバーはこういった環境変化を目の当たりに見ることができるスタンスにいるわけで、実際に潜って見てきたことを人に伝えることができるはずです。
これは、どれだけ汚染が進んでいるとか、難しい理屈抜きで感覚的に見てきたこと、伝えたいことを第三者に、数人であろうとも伝えていけば、何かが変わってくると考えています。

この海で別の生き物を通じて、海の中の不思議と生態系の面白さを体験してきました。それはシロホシテンジクザメという深海性の鮫で、普段は300mよりも深い場所に生息。春から産卵のために浅い水深に上がってくるのですが、なぜか宍喰、甲浦のあるポイントにしか現れないらしいのです。日本国中見渡せば、同じような環境があるはずなのになぜかここで集合する不思議。産卵行動はまだ撮影できていませんが、オスメスの姿をしっかりとハイビジョンカメラで収録してきました。
このシロホシテンジクザメの行動は紀伊半島周辺以北のイシガキダイが産卵のために熊野灘のある一角に集合するのとよく似ています。
また、アカウミガメが広く太平洋を回遊し、アメリカ沿岸にまで回遊する同種の多くが日本沿岸の砂地に産卵すること、その沿岸が護岸工事や、人間が作り出す喧噪や明るさから産卵がうまく行われず、絶滅危惧種となってしまっているという事実もあります。

これが、食べる食材であるハマグリにだって同じことが言えるわけですよね。
絶滅危惧種といわれる点では純国産ハマグリもおなじ。
まず見かけることが少なくなってしまっています。チョウセンハマグリという種類のみが少ないながらも全国で採られ少ないながらも国内産として流通しています。(ほとんどが中国産)

こんな日本沿岸を変えるきっかけは、ひょっとすると有力政治家に料亭で食わすハマグリではなく、沿岸で自分の足で探って採ったハマグリの味かもしれませんね!

 

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JAPAN times

Japantimes_2 昨年から本格参加しているプロジェクト、エルテュールル号引き揚げプロジェクトだが、このブログでもバックナンバーでどのようなことをやっているのかを過去に少しご紹介させていただいている。
今日 日曜日のJapan timesに掲載された掲載紙が編集部員であるMiss.Winifred Bird から送られてきた。
モノクロ使用なのだがまるまる1ページが特集として取り上げられていて、その構成と内容がしっかりしているものになっている。
使われたのは1カットのみだけれど、水中を効果的に使っている。
タイトルはJapan’s tragic "Titanic of Turkey"
この写真を使いたいと言ってきてるとトゥファンから串本ロイヤルホテルで彼女を紹介されてから、彼女とやり取りしながら、ようやく記事として露出されてきたわけだ。
ビジネスとしての話を当然プロである僕はさせていただかないといけないわけだが、当初どのような扱いで使われるのかがわからなく、数度その後携帯にかけてくる彼女と僕のつたない英語力での交渉となったのだが、無事交渉成立。
きちんとギャラをいただいて掲載と相成った。
このあたりはきっちりと仕事の結果で評価してくれる欧米人の仕事ですね。
多くの日本在住の外国人の方に、このトルコの軍艦の遺物を引き上げるというプロジェクトを知っていただけたと思う。
こういった交渉をする際、ニュースソースとしての扱いはそれぞれ違うのだろうけど、日本の多くの新聞やメディアは外部からの素材の提供を公共のためという理由なのからか、買い取るということをしたがらない。
プロが撮った写真の場合で、それなりにクオリティーが読者投稿写真と明らかに違う場合でも認めようとしないようで、僕もきちんとイーブンな立場でいろんなメディアの方々と話せるようになったのはつい最近の話。まあ、プロとアマチュアの線引きは非常に難しいところがありますが...
基本的に放送局報道部も新聞社も今では水中班というものをNHKさんにならって作ろうとするようで、自社制作にこだわるようだ。
もちろん、それが効果的に働くケースもあるだろう。版権と二次使用三次使用の問題。素材の使用料というコスト。でも、NHKさんの水中班と明らかに違う点がどの局、新聞社にも見受けられる。それは水中という環境の錬度というか、トレーニング量。
たぶん上層部は、日ごろ陸カメラを使いなれている報道の生え抜きだから、最上級の機材を揃えれば、すごい映像をとるはずだと思っているのだろう。
報道は花形ですからね。予算もすごい機材を惜しげもなく注ぎ込んでいる。
しかしながら現場で遭遇すると、多くの報道陣の水中カメラマンたちは驚くべき行動を取り出すのだ。我先に、だれよりも前で撮ってやろうとバタバタと出てくる。立ち泳ぎで中性浮力も十分に取れていない。当然辺りは底の砂や泥を巻き上げもうもうとなる。
よくニュースで見る芸能人を追いかける、あの光景の水中版だ。 しかし水中だから画面にまともに悪影響が出る。でも、写真をあるいは映像をだれよりもいいポジションで撮ることのみに夢中だから、みんながみんな悪循環になるのだ。
今回の取材時も某取材チームのいくつかが、遺跡ともいえる(歴史はそれほど古くないが)発掘現場で、中性浮力が取れないゆえ、発掘現場の遺物の上にドタッと寝そべったままシャッター切っていたり、発掘物の上に乗っかっていたりする現場を多数見てしまった。ずっと記録を取っていた僕は映像でも残してしまっているが、ある意味使えないんですよね。(トルコで放送されたら日本人として恥ずかしいなあ)
これが飛鳥古墳だったら...そんなことやったら袋叩きですよね。遺跡の壁面にもたれたり、上に乗ったりしたら...。

なぜ報道チームを入れる日を研究所所長のトゥファン氏が指定してその日以外入れたがらないのか、報道チームもわかってくれているのだろうか?

それぞれ良好な関係を作られているチーム同士なら、その順番や時間割を作ることで、逃げない被写体の場合、より効率よい取材ができるはずだ。そのことがわかっているチームが幸いこのトルコ軍艦取材の際に来ていたので、報道j開放日にNHKさんをはじめ、朝日新聞社さんとかお互いに仕事上のお付き合いさせていただいているチーム間に恐縮ながら僕が話をさせていただいて、タイム割をさせていただいた。結果いい取材になったのではないだろうかと思ってます。
さらにご提言をさせていただけば、こと水中という環境での取材なら、水中映像祭などに出展しているプロの映像を見ていただけばわかっていただけるはずだが、僕ではなくとも、その道のスペシャリストに発注した方が、3年~5年サイクルで機材を買い替え揃えるより、ずっと安いコストでいい映像と素材が視聴者読者に届けられるはずですが.....
BBCやナショナルジオグラフィックチャンネル、アニマルプラネットがすごい映像を流し、映画でその集大成がヒットしたのも外注のプロフェッショナルに発注してるからなんですよ。
NHKは別格。世界最大の水中班ですからね。160人の選りすぐられた水中の精鋭で構成されてますから。(やりたいという志願者は4倍はいるらしいが、落されているとか)

これを民放がまねようとすると、膨大な予算が必要だということに
気づいてほしいな。

そろそろ、民放さんの報道トップの方も、新聞社のデスクの方も外注のメリットに気づかれる水中撮影経験者が増えてきているはずです。
いいカメラマン紹介しますよ!日本各地の。
もちろん自分の地元の仕事くださいねという本音とオチも付くのですが...笑。
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春季特別展

Azahata2串本海中公園錆浦研究所は1970年に日本で海中公園法が設立された時に、日本で初めてできた海中公園研究所だ。その後、黒島やいろんな場所に海中公園研究所ができたが、ここがルーツともいえる。
ここに併設されているマリンパビリオン(水族館ですね)が全面改装されOPENしているのだが、ここで4月26日から春季特別展が開催される。その中で僕も串本の水中の景観と生物を来場者に見ていただけたらと10分前後の作品を公開させていただくことになった。
http://www.kushimoto.co.jp/index.html

大きな大スクリーンで終日16:9のハイビジョン映像を壁面いっぱいに流し続けると思いますので、ぜひ串本にお越しの際はお立ち寄りください。水中に潜ったことのない方も、きっと目の前の海にどんなふうにサンゴが広がるのか?生き物たちによって連日繰り広げられるドラマに驚かれると思います。

さて、いつものように思いつくまま...
日本に海中公園法というものが制定された背景には高度成長期の真っ只中、自然を保全するという目的のもとに、当時万博が行われる年であったことや、産業廃棄物が問題化されだした時期だったことが背景にあるのだろうと思われますが、海中公園地域に制定された場所は沿岸に建築物を作ったり、沿岸地形を変化させたりすることを防止、抑止することが目的だったと今も環境庁のHPに記載されています。
はたしてこの法律って今はどうなっているのだろうか?
財団法人海中公園というのは解体され、この串本海中公園錆浦研究所も今は株式会社としてマリンパビリオンに併設される形で存続しているが、他の地域は大変なようだ。
日本は海洋に取り巻かれた島国であり、その周辺海域は事実上経済水域という面でみれば世界で6番目の面積を保有しているとは、以前の日記でも書いたとおりだが、この沿岸域の乱開発や資源管理は全然と言っていいほど自然や環境にやさしいものではなかった。
平気で道路を沿岸で広げたり、駐車場を埋め立てて造ったり、流れる排水は特定の工場、産業以外はあんまり制限がなかったり、護岸と称して必要のない防波堤を延々と伸ばしてみたりしてきたわけです。

魚たちがそこで暮らすために必要な沿岸という場所...ここをかんがえると、海は広くて大きくとも、子供たちが育つ場所は沿岸域であったり、浅い水深に上がってきて産卵する訳で、外海の表層を見ても、切れた流れ藻に幼魚たちが守られるという部分があって、水産資源をトータルで考えても沿岸は非常に大事なのです。
また、漁業では養殖が盛んになることで、この沿岸域の生態系にも大きな影響を与えています。漁獲方法についても巻き網の規制を行うとか、問題点は多数目についてきています。これらは誰が提言規制するのか?
しかるべき地道な努力で研究を続けている研究者のデータをどういかすのか?

全然と言っていいほど実用化されていないのが悲しく思います。

昔「わんぱくフリッパー」というイルカを題材にしたTVドラマ、映画がありましたが、主人公の少年が自然とイルカとの付き合いを通じて、さまざまな問題に直面。これを解決していくというストーリーで、いかにもアメリカらしい物語でした。
この主人公のお父さんは海洋研究者であり、沿岸のレンジャーだという設定だったのですが、密漁者を取り締まったり闘ったりというシーンも印象に残っています。
ところが、日本の海中公園法が制定した中にはこれを守る部分が欠落。研究者が潜る際にも漁業権が強い場所では、許可を取ることが大変だったりするそうです。またその調査費用も確保するのが大変だったりするわけで・・・。
また、あらたに沿岸整備が行われる際、海域の沿岸の護岸工事がどのような影響を与えるかを調べるとかで、その裏付けとして、地域と関係ない大学の先生に裏からお金が流れて.ちょこちょこと調査を数回して「ここは作っても大丈夫」という許可が出たりしますね。

漁師に対してはかなり離れた海域に暮らす漁師でも、漁業補償として発電所建設時には膨大な費用が支払われたりします。

本来その地域の研究者はレンジャーとしての機能も必要なのでは?と最近思っています。日本には自然を守るレンジャーが名称だけ存在で、本当のレンジャーはいないんですよね。
こんな漁獲方法していたら駄目だとか、この海域のこういった漁獲方法は休めないとだめだとか、規制する権限のある省庁との連携ですね。環境庁との連携という点では現在もされていますが、海上保安部との連携も、(別の機関になるかもしれませんが)取り締まるということをやらないと、将来的な日本の水産資源はダメになると思います。

また、酒屋さん開業にあたって周辺同業者の距離が申請上必要なように、養殖いけすの沿岸での過密を防ぐ方法を考えて、守っていかなければいけない時期だと思うし、海中公園法あるいは水産資源保護のための漁獲方法の見直しをしていただきたいなあと思ってる昨今です。
今回の展示は、日本の漁業や水産資源を守るためにも、串本沿岸で豊かな海がなぜ守られているのか、守られていない部分はどういったところなのか?そういった話の材料の一つになってくれたらなあと思いながら編集してました。
皆さん見に来てね!!Kame2

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サンゴの生態

Sango2 先月、僕たちが審査させていただいた串本フォトコンの授賞パーティーが行われたのだが、
その授賞パーティーにたどりつくまで、たくさんの笑いと珍道中にまきこまれ、うちの戦車号の中は常に笑いの渦が舞っていた。
僕が串本大使だと言い出したとたん、中村征夫さんと鍵井君がつっこむつっこむ。
僕はなんとか串本大使の業務を全うしようと、トルコ記念館に連れ込もうとするのだが、
なんだかそちらには向かわず、マグロ中落ち丼を食いに入った「水門まつり」、ここでも爆笑の渦。原因は僕のマイ箸なのだが・・・
須江ダイビングセンターの居心地の良さから根が生えたかと思えば
最後には串本でいちばん新しいベーカリーカフェで征夫さんにゴチになっちまった。
気がついたら串本大使にあるまじき行為...どこも名所に行っていない。
そのまま会場入り、授賞パーティーは大いに盛り上がり、関西ならではの
ボケと突っ込みあり。
征夫さんいわく、まるで、「アカデミー賞のような盛り上がりだったなあ」と・・・

さて日記っぽい記述はここ迄にして、いつもの堅いお話をば一席。道中海中公園錆浦研究所に少しだけ寄ったんだが、裏から入らせてと御前先生にお願いしてここでバックヤードツアー。その際、征夫さんから聞いた話に「へーー」カウントが大幅にアップ。

なんでもサンゴの白化現象がなぜ起こるのか。
これはこのブログでも以前に取り上げているのだけれど、多くの研究者が高水温によって
褐虫藻を排出してしまう。(抜けるという表現を使うこともある)これはあくまでもそうだろうという想像上の話をしていたのだが、(誰も見たことはなかったのだから)新しいCTあるいは超音波を使う超マクロレベルの立体顕微鏡で観察すると、抜けて離れていくのではなく、どうやらサンゴ虫にくわれるのかわからないが消滅していくのだという。
この研究は原因を見つめていって、たまたま異業種から見ることができる機器が開発され、その反応はなぜ起こるのか?どんな物質に影響を受けるのかというところに進んできたようで、どうやら人間が作り出しているさまざまな空気中の物質が海に流れ込んで、そういった反応をサンゴが起こしているらしい。サンオイルが含む成分がサンゴに微量でもダメージを起こしているとネイチャー誌で紹介されていたが、それ以外にも悪影響を及ぼす物質をたくさん海に流しているようだ。
多くの研究者は想像していたものの、実際に映像で見ることができるようになる機器の開発であきらかになったらしい。
ちょっとショックですね。

まさしくサンゴを植えようが、株分けみたいなことがなぜうまく行かないのか、環境が大事なんだということを以前にもこのブログに書きましたが、僕の知る範囲ではあくまでも仮説だったのが、実験データとして生きたサンゴの内部を見ることができるようになったため裏付けがでてきたわけですね。

串本では健全なサンゴ群落が驚くほど近年広がっているが、ここは人口も少なく、工業廃水などもなく、サンゴたちの楽園になっているのだろう。
写真は、クシハダミドリイシとフクロノリが同じ場所で生息しているところを撮ったものだ。
ちょっと前まで串本の海を説明する際、春にはサンゴと海藻が一緒に見られる海なんですよと言っていたのだが、ここ十数年、海藻の量が驚くほど減少して、ホンダワラなどほとんど見なくなった。
今年はフクロノリが例年以上に広がっているように思える。こんなに広がっているのはここ数年はなかった気がする。温帯と亜熱帯のせめぎあいがこの海では続いているんですよね。
水中生物区分区では亜熱帯区に入る潮岬西側エリアだが、こんな風に海藻も、一時期だけどまだまだ勢力を広げるんですね。

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食のつながり

Hq9r3917食生活を考えることが、年をとるとともにだんだん深いところを考えるようになってきた。
若いころは食い物というとうまいかまずいかであったり、安いか高いかという判断基準しかなかった。これは目の前に出されて考えていたのが、単に自分にとってどうなのかという判断基準だったからかもしれない。

海に潜るようになって、このダイビングの経験値が増えてくると、当然のことながら人の潜らない環境に潜ったり、漁師さんとの付き合いが出てきたり、研究者の人たちと一緒に潜ったりと、普通のファンダイビングと違う潜り方をする機会や、話す内容も、相手も変わってきて、さまざまなことを考えさせられるようになってきた。

先日テレビ東京系で作られた「カンブリア宮殿」という番組を見てまして、(制作に絡んでるわけではないのですが)
伊藤忠の会長が今の日本の、あるいは世界の食に関して諭すようにゆっくりと重みのある言葉でしゃべっている内容に、思わず相槌を打っている自分がいました。
丹羽さんがしゃべってた内容を大まかに説明しますと
数字としての日本の食料自給率は39%とかよく耳にしますが
その中身がどうなっているのか、また日本のこれまでの一次産業軽視の傾向が続けば、いかに危険かということで、たとえば、マクドナルドハンバーガー一個食うと熱帯雨林がどれだけダメージを受けるかなんてことを言われても、多くの人はピンとこないことでしょう。その番組の中で紹介されているのですが、肉一キロを生産するのにどれぐらいの食料資源を使っているのかと考えると、20倍の穀物と1トンの水を使っているようです。
肉は生産しているから飼育しているから大丈夫と思っている方も多いでしょうが、その飼育するための飼料を手に入れないといけないのです。
また無尽蔵にあるように感じられる水ですが、日本は水が豊富にある国だと思われている部分もありますが、意外にも安全な水は都市部には減ってきています。水を買うという習慣が普通に根付いていますよね。

これらの基本的な資源は(穀類や飼料として使われる物も含めて)都市部に暮らしていると普通に手に入るものだと思われています。でも、東京は食糧自給率がわずか1%。
どこかから持ってこないと、買い付けないと何にもないわけです。
これは日本に広げても同じことで、作っていると思うものでも植物以外は、畜産も米から導入した飼育やブロイラーには材料がいるのです。
同様に漁業の養殖もいけすの中で必要な魚種だけを増やそうとすると、数10倍の材料がいるのです。
餃子で揺らいだ中国からも買わないと僕たちの生活は成り立たないし、アメリカから穀物や牛肉、豚肉を買わないとだめだから、対米、対中で日本は強硬姿勢は絶対とれない仕組みになっています。
これまでは輸出は工業製品を優秀なものを開発、コストパフォーマンスで勝負して成り立ってきた日本経済ですが、韓国やインド、東南アジアの国々に追いつかれ、家電などはサムソンなどに抜かれてしまっています。
僕らは少し政策が狂えば、いつ兵糧攻めにあってもおかしくない環境で暮らしているともいえるのです。
丹羽さんは米を死守せよということをしきりに言われていましたが、そのとおりだと思います。日本の農地の作付け面積を考えると、広いようで狭いんですよね。
バイオエタノールにも触れられていましたが、トウモロコシを食べたらどれだけの食料になるか・・・それを車を動かすために使うと・・・
日本の全農地をバイオエタノール製造に仮に使ったとして、そこで作られる燃料は7500万リットルだそうで、今の日本の消費は年間1億リットルだとか・・・
限られた農地では、そのまま食べられる食材をいかに効率よく育てるかを考えないといけない。そのためにコメの生産を守れということです。

同様に水産資源、こちらもマグロやハマチ、タイなどの特定魚種を増やすのはもうやめて、トータルで獲れる漁獲高を増やす方向に切り替えるべきです。タイやマグロは値段が高い魚種でいいじゃないですか。
それを庶民の魚にするために、湾内で養殖ばかりして、どれだけの沿岸をだめにしているか、巻き網でいかにダメージを与えてるかを考えるべきです。

僕もこういった啓蒙活動もっとやらないとだめだなあと痛感しました。
僕にできること、下記のように向こう5年ぐらいでイメージしてやっていきたいと考えています。

シンプルに海でうまいもんを食う

そのうまいもんはどうして流通しなくなったのか?
なぜ資源量が減ってきたのか?
養殖のどこがいけないのか?
ここをシンプルに伝えていくこと・・・これがその1

沿岸の護岸工事によって垂直な防波堤や、波を消波するテトラポッドがどういう風に
生態系に悪影響を及ぼしているか?
それをどう変えていくべきか・・・その2

資源量を減らさない漁業の形態を漁師たちやつり人も含めた
漁獲者たちに啓蒙していく・・・その3

自分たちの食材の出どころと流通、先々のことを消費者に考えてもらう・・・その4

このあたりを地道にメディアで伝えていくことが僕の5カ年計画です。
今年の水中映像祭に出展する作品
このブログと連動で見ていただくとちょっと見方が変わるかもしれません。

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エルトゥールル号3

Hq9r4745水深15m付近で発見された、当時の水兵が付けていたと思われるバッチ。
このバッチにはトルコのマーキングが見て取れ、今現在の軍服と若干ディティールが異なるものの、ほぼ同じデザインになっている。この写真はトルコで最も大きな新聞社の一面で大きく扱われて掲載されたという。
持っているのが今回の発掘調査チームのリーダーであるトゥファン氏。この他にも当時のものがずいぶん発掘された。
トータルで1200点を超える遺物が今回引き上げられ、保存処理にかかっている。昨日19日最終的に串本にて記者発表が行われたはずだ。(僕は雑誌記事編集等で先に帰っちゃった)
とりあえず第一弾は来月10日発売の月刊ダイバーでこの模様はお伝えします。
買ってみてみてくださいね!

いろんな手法や、海洋考古学のありかた、ほぼ1ヵ月に及んだトルコ海洋考古学研究所の人たちとの交流から、伝えたいことがいっぱいありすぎて、これから様々なメディアでの露出を踏まえて動いていきます。
多くのニュースメディアが取材をし、このトルコと日本の関係を報道していくはずですが、僕が現状でおかれているスタンスは一報道者ではなく、完璧にトルコ海洋考古学研究所のチームの一員として動いています。
したがって、報道では入れなかった現場や報道陣が取材されていない部分もたくさん見たし、経験してきました。
この記録作業はハイビジョンカメラとスチルカメラで行ってきたのですが、今回僕自身も記録にあたって、ちょっと前年から考えていたことを実行。
ハイビジョン映像収録時にリアルタイムで自分でレポートをフルフェイスマスクを使って音声収録してみました。
一日はトゥファンにもフルフェイスを付けさせて本人にもレポートさせたのですが、
作業に制限が出るので(動きにくいとか息苦しいとか)あとは自分がほとんど日本語でしゃべっています。この模様は今年に露出することが日本では難しいかもしれませんが、前年のもの含めて、先々でまとめてオンエアできるでしょう。
トゥファン氏とも日本での映像使用権について、こちらに全面的に任せてもらえる関係になったので、遺物里帰りの2010年目指して、毎年このシーズンに撮影を続けることになります。Hq9r4868
国内だけではなく、トルコのナショナルジオグラフィック誌との連携、アトラスというヨーロッパの雑誌(ナショジオのヨーロッパ版のような自然科学誌)での露出もしていきます。
お楽しみに!
左の写真は和歌山県議会の方々が表敬訪問された時のもの。中央ポコンと背が高いのがトゥファン。
右端が僕です。トゥファンと串本町内をうろついていると、おばあちゃんなどは僕もトルコ人だと思うのか、挨拶すると、「日本語しゃべらはった!」と驚かれたことも…苦笑。

下が今回のプロジェクトのスタッフジャンパー。インナーフリースが取り外して単体でも着ることができるすぐれもの。中央のベルタさんが着ているものが僕のものになることに・・・
気に入って最近着まくってます。Hq9r5268
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エルトュールル号2

Img_0502エルトュールル号の遺物捜索活動も終盤を迎えるにいたった。
今回は前年までの単なる上からの金属探査や、ソナー探査、目視による遺物の確認以外に、本格的に掘り起こしての捜索が行われている。
前のブログで、テストパターンのような3D画像作成用のチャートをご紹介しましたが、今回はドレッジシステムのお話です。
ドレッジシステムとは水中考古学の世界で取り入れられている手法で、水中考古学の父といわれるテキサス大学のジョージ・バス博士が考案したものだ。これは水中遺跡発掘や、古くに沈んだ沈船を発掘する際に有効な方法だ。
ふつう水中で砂や小石が降り積もった部分を手でどけてみるとわかるのだけれど、あっという間に周辺に煙幕のように懸濁物が舞い上がるもので、それが視界を遮り、しばらく沈静化するまでじっとしているしかない。
当然のことながら、そんなに効率の悪いことはやってられないので、このドレッジシステムを活用することになるのです。
船上にエンジンを備えた水中ポンプを設置、長いドレンホースを発掘現場まで引っ張り、水流を意図的にコントロール。
吸い込む巨大な掃除機のようなもので砂泥を取り除きながら埋もれた遺物を探し出すのです。吸い込みすぎて、金属製のピンや小さなパーツを紛失しないように、注意深く刷毛で払いながら吸い込んでいく作業は完全なる手作業です。
水温14℃の海でじっと動かず70分から80分間作業するのはほんとうに大変な作業。
これが午前午後と連日続くわけだから体力的にだんだん消耗していく。
しかしながらその努力に見合った見返りとしての遺物が数多く挙がっている。
この詳しい話と写真は月刊ダイバーとナショナルジオグラフィックで順次ご紹介していく予定だ。お楽しみに!!

下の写真はトルコ海洋考古学研究所の所長トゥファンさんの娘さんの「アダ」。とにかく愛嬌がよく、疲れた我々の心を和ませてくれる存在だ。

なんでも息をこらえての潜水が得意なようで、将来はフリーダイバーになるのかな?

水温の低い今の時期ゆえに潜る能力は見せてもらってないけれど、とにかく元気にエルトュールルセンター内を走り回っている!708341123_145 Hq9r4362

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水中考古学

Img_0431見慣れぬテストパターンのような模様のシートを水中で撮影。
これが一体何かというのを書き込む前に、まず水中考古学という分野について少しご説明しましょう。
今年から本格的なエルトュールル号の遺跡を発掘引き上げという段階に入ってきたのですが、こういった水中に沈んでいる過去の物体を発掘調査する分野が日本ではかなり立ち遅れています。
アメリカテキサス大学が総本山という感じなのですが、ここの元教授であるジョージ・バスという博士がこの分野を切り開いたといわれていて、海洋考古学の父といわれています。
今回来ているトルコの研究所所長も彼の教え子で、全世界で展開されている海洋考古学は陸上発掘の手法を水中に持ち込んだのと、引き揚げたものの保存処理がどのように行うべきかという学術的な考え方を定着させたものです。
近くでは韓国あたりもこの分野を積極的に学んでいるようですが、日本では専攻できる大学が残念ながらありません。
一般的に展示物として残しているものも、例えばトルコ記念館に引き上げられて展示されている遺物にしても、日本の場合そのままなので、ボロボロに崩れてしまうケースがほとんどです。
木材などは、水中で発見された状態のときには細胞膜のなかに水が入っているので原形が保たれているのですが、引き揚げて乾燥させてしまうと、すぐに崩れ出すのです。
したがって、脱塩処理をしながら、乾燥させた部分の細胞膜内に樹脂やセルロースなど適材適所で注入していかねばなりません。
この作業が非常に手間のかかるもので、引き揚げが1日で終わっても後処理が2か月かかってしまうのです。
また金属や、有機物である革製品などの処理方法も異なり、それぞれ処理に膨大な時間と労力が必要になるのです。
このため今回の引き揚げも5年の歳月を要するのです。

さて写真は何のテストチャートかというと、これは僕が使っているカメラの広角レンズのひずみを解析して3Dで撮影した画像を再現するために必要なものらしいです。
あらゆる角度からこのチャートを撮影するところからスタートです。
ディストーションをコンピューター解析する作業は所長の奥さんであるベルタさんの専門分野ということで、画像はベルタさんの手に渡りました!

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エルトュールル号

Img_0275 海の食からたまには外れて、ちょっと違う話題に移ってみます。
このブログは水中映像のお話もあるはずなので(笑)
このブログを読んでいただく頃には、多くのメディアが取り上げるニュースシーンで
この串本沖に沈む軍艦の話を聞いたり見たりした方が多いのではないでしょうか?
今現在この発掘引き上げプロジェクトは進行中で、僕も実はこのプロジェクトに初期からかかわっています。
4年ほど前にトルコ海洋考古学研究所所長トゥファン氏が下見に来日、この時にたまたま串本にいたことから、町と観光協会会長からの依頼で一緒に潜ることになりました。
昨年1月に本格的調査目的で世界中から海洋考古学者が串本に集結。
この中には海洋考古学の父といわれる「ジョージ・バス」
クストーの片腕として調査初期からカリプソ号に乗り組んでいた「クロード・デュティ」などの大物も来日していました。
ジョージ・バスのインタビューは月刊ダイバーにて今月のダイバーとして掲載したので
読んでいただいている方もいらっしゃるかもしれません。
また調査開始時の模様も昨年4月号で月刊ダイバーとナショナルジオグラフィックでカラーで掲載しました。

昨年はトルコ調査団の一員として初めから終了までずっとチーム入りしていたのですが、
今年は諸事情から一報道者として報道開放日に一日だけ参加のつもりで彼のホテルを訪れました。
ところが、トゥファン氏と再会するやいなや、「待ってたよ、いつ合流するんだい?」
なんて言う話に・・・
おいおいいきなりかよと思いながら、報道開放日の午後からは発掘チームの記録係っぽいスタンスに置かれることになってしまいました。(トルコチーム入り)
去年は終盤、あるいは夏のメールのやり取りで、僕が撮影した素材の使用方法を巡って彼とはちょっといざこざがありまして、
今年は少し距離を置いたスタートにしたわけですが、自分が撮影したものや、他の放送局が撮影していくものと客観的に見て、やはり合流してくれという話にどうやらなったようで、
まあ、撮影技術を認めていただいたのかな?

去年のようなトラブルを回避するため、僕が撮影したものを学術的に使用する目的でのコピーを渡すという条件で、撮影した映像の各メディアや雑誌社での使用権を全面的にこちらにいただくという話をしっかりと行ない、今日から合流します。

このエルトュールル号とは明治時代に台風に遭遇、串本沖に沈んだトルコの軍艦で、これを当時の紀伊大島住人が総出で救出活動、嵐の中断崖絶壁から乗組員を救出。
このことから現在トルコ イスタンブールと串本は友好都市関係にあり、トルコ記念館が串本にあるのです。

またその後、日本政府がチャーターした日本の軍艦「金剛」でトルコまでおくりとどけました。
当時トルコは旧ロシアの圧政に苦しみ続ける状態でしたが、日露戦争で日本がロシアに勝ったことや、この事件で「日本はすごい国だ!」となったらしく、
トルコには今も親日家が多いようです。

舞台は変わって1985年
イランイラク戦争時、サダム・フセインは48時間以内に上空を飛ぶ航空機はすべて撃墜すると突然声明を出した。慌てて駐留者を持つ各国は自国のチャーター機を飛ばし、
大急ぎで民間人の退去をさせたのですが、日本政府は対応が遅れ、空港に215人の邦人を孤立させていました。タイムリミットまであとわずかという時に
トルコが自国のチャーター機を飛ばし、日本まで送り届けてくれたのです。
日本政府は「なぜトルコが????」となったのですが、
東京の外務省にトルコ大使が公式発表。
「これは1890年のエルトュールル号の借りを返しただけです」
何ともかっこいいじゃないですか!!

この船の主要な遺物を向こう5年間で引き揚げ、保存処理をしてトルコに里帰りさせようというのが今回のプロジェクトです。主導はトルコの海洋考古学研究所なのですが、フランスのマチス財団、アメリカテキサス大学なども絡んでいます。

Img_0265 この引き揚げ作業を映像と写真で記録していくのが僕の仕事。
NHKさんも含めて放送局や新聞社など各メディアも入れない作業風景を克明に記録すべく、寒い北風の吹く樫野の海に今年も潜り続けていくことになりました。
向こう四年はこの季節ここに来ることになりそうですなあ。

順次皆さんに何らかの形でお見せしていけると思います。
とりあえず、今日は悪天候で中止ということで、昨夜串本入りするつもりでしたが、連絡受けてまだ出発していません。そろそろ準備して向かいます。
ではでは・・・
Img_0295

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商業捕鯨再開ってどういうこと?

Kujira01 僕はハンドウイルカという鯨種を好んでは食べません。食用には向き不向きがありますからね
でもミンククジラはあるいはハナゴンドウといったものは食べます。つい最近も四国でイワシクジラ&ミンククジラを食べました。
これは好みの問題であってタイトルにある商業捕鯨には関係ないですが・・・
ここでは、自分で考えるところの、持続可能な水産資源という考え方から書いてみます。

最近取りざたされている沿岸域で生息する鯨類に水銀が蓄積するのは生態系の頂点に向かえば必然的にそうなるのですが、そう仕向けたのは人間なのです。いわゆる環境汚染ですね。
マグロもしかり。マグロの場合は畜養等で与える飼料の問題が多いのですが、蓄積する量は沿岸魚介類なら間違いなく多いようです。
貝類も数値的に蓄積は多いです。これらは無視できないのですが、別の機会に詳しく書くことにします。

イルカ&クジラは最近でこそフレンドリーなイメージで友達っぽい感じで捉えられていると思います。でも彼らが人間と泳ぐようになったのは世界中の海でここ20年ほどのことです。
それまでは全く人間に近づきませんでした。これは人間の接し方が彼らにとって危険じゃなくなっただけで、生態系の中では共棲しているわけでもなく、人間のPETを飼う感覚に近い感情が芽生えたからだと思います。つまり捕って食べる関係じゃなくなったからといえます。

大海原に出てみて大自然の中で泳ぐ彼らを見て、漁師の生活、歴史を見て、太地の生活の中で、浜で解体されるクジラを見ている地元小学生がどんなふうに感じているかに、実際に接してみれば、決して野蛮な行為ではないと思います。

実際にみてみないことにはわからないのですが、イルカ追い込み漁資料映像や番組に踊らされる人が多くなるのが歯がゆいです。
「太地の人はなぜイルカ&クジラを食べるの?」
「野蛮だ」という意見もダイバーの間からよく聞きます。
太地くじらの博物館など、以前は海外からの投書が多かったようですが、最近は日本国内の若い女性からが多いようです。

よくいろんなところで議論されるクジラ問題で引き合いに出されるのが家畜です。
牛や豚など食肉の大半は人間の好みで食べるために生かされています。
パックずめにされている牛や豚の飼料に何が使われているのか?
米国産など事実を知ったら嫌になりますよ。狂牛病疑惑の時に検査のずさんさがなぜ改善されなかったのか。
米国産ショートリブに吉野家がなぜこだわったのか?単純に効率よく安価にできることであったようで、日本向け輸出等の安全面はアメリカ国内消費用と方向性がずいぶん違うみたいですね。
ちなみに吉野家の牛丼並の牛肉は100g61円だそうで、約90gが乗っています。
一杯の牛丼で50円台の原価だそうです。

この肉はアメリカでもあまり消費されない肉質&品質なので安いんですね。アメリカ人が見向きもしない素材。

味が違うからオージービーフはだめだとこだわっていたのは単に値段だけだったのかなと思われます。日本人が大量発注するからこの商品が生まれたのですね。ショートリブ。

またこれらの家畜は屠殺されるまでどういった環境でどういった食材を与えられてきたのでしょう?これを知れば、たぶん家畜って欧米人が作り上げてきた環境悪化の一要因であることがすぐにわかります。

こういった動物はただ人間に食べられるためだけで狭い環境で一生を終え、屠殺されるためだけに生きています。スーパーのパック詰め牛肉を見て、都市部の小学生は、生きていてすぐそばで「モー」と言ってる牛を殺しているとは想像できないでしょう。

前述の太地町に暮らす人たちのほとんどが浜辺で解体するクジラ、イルカを見て育っています。大海原を自由に泳いでいたクジラが目の前で屠殺解体され、食卓に上がっているのだということを小学生でも知っています。
命の尊さは、あるいは何かを食べないと自分たちは生きていけないということをよくわかっているからこそ、鯨供養という祭りもあったりします。

大海原を自由に泳ぎ回っている群れの中から間引くように弱い個体を捕獲して食べることが野蛮なのでしょうか?人間が本来食べられる飼料となる穀物を大量消費、非常に効率の悪い方法で、我々が本来食べることができる自然の食料を餌として使っていて、その中には保存加工のために添加する非常に危険なものもたくさん含まれています。そういったものを食べさせられて、ただ死ぬために生きているブロイラー化された家畜。

これってかわいそうじゃないのかな?
イルカは一日に飼育されているケースでいうと15kgのアジやサバを食べます。沿岸捕鯨のハナゴンドウで約25kg、小さめのミンククジラで150kgほど食べるみたいです。たった一日でですよ。
今商業捕鯨を再開しようとしている南氷洋のミンクは少なく見積もって80万頭に増えています。この原因も日本とノルウェーがやった捕鯨合戦で大型のシロナガスクジラやナガスクジラが激減したからですが(食性が同じ仲間)、今絶滅に瀕しているシロナガスクジラの数が保護しているにもかかわらず3000頭以上に増えないかは、ミンクが多くなりすぎたからだという説がどうやら本当のようです。
(全世界で3000という数字を切ると、ほぼ絶滅に向かった状態です)
同じ海域で同じ食性、オキアミやニシン、イワシなどを食べているので、彼らの食べられる総数が足りないのです。

我々の食卓でもイワシが捕れなくなって高い魚種になってしまいました。これは飼料として使ったり、安いから廃棄したりもしたからというのは、もちろんですが、海の中の生態系のバランスが崩れているんですね。
海の中の魚種交代は100年サイクルで起こってはいるのですが、今イワシが捕れなくなったのは明らかに人間のせいですし、ミンククジラが膨大に増えすぎたのも人間のせいです(最後は頭数制限だったので、大きなクジラばっかり捕って、小さい種類を保護しすぎた)

僕は持続可能な水産資源と、トータルの生態系回復のためにみて捕鯨推進派です。何でも捕ろうというわけではないのです。増えすぎた特定の魚種や、鯨種をうまく僕達が食べる資源としていかさないといけない時代が来ています。

なぜハナゴンドウの沿岸捕鯨がIWC(国際捕鯨委員会)に認められているか?
これは商業ベースに乗らない小さい鯨種で、数が膨大にいるからです。年間100頭では何のダメージも出ないから。むしろ他の漁獲とのバランスも考えたらもう少し捕ったほうがいいかもしれません。

調査捕鯨と銘打って捕ってるミンククジラは約86万頭が南氷洋だけで棲息することがわかりました。(90年代は30万頭)尾ひれの模様などが変わらないので、目視ではなく、捕獲してメスの割合、年齢、子供の比率を海域ごとにランダムに調べて総数を計っています。
この調査費用が国からもIWC国際捕鯨委員会からも出てないので、捕獲した鯨肉を販売して調査費用に充てているのが現状なのです。86万頭の中から500頭~1000頭の捕獲は全く持続可能な資源量だと思います。
世界には家畜が食べられない人口のほうが圧倒的大多数です。日本や欧米人の一部が喜んで食べているだけではないでしょうか?。食料資源を無駄にする養殖や家畜の在り方を考え直すべき時代です。

食料資源として見たらミンク捕鯨は数量さえ誤らなければ、方法さえ誤らなければ、世界の食糧事情を救うと考えています。高度成長期に僕の体の大部分は安いクジラ肉で作られましたからね。

だいたいからして国が推進してきた調査捕鯨というものがなぜ必要なのか?その説明が国民に全くない。
商業捕鯨の隠れ蓑じゃないの?とみる大多数の日本人が多いのは明らかに政府広報が馬鹿だからです!!
調査捕鯨、商業捕鯨の説明をきちんとやれ!!
日本人を(特に若い世代を)敵に回してどうするんだ!!
調査捕鯨ってネーミングが悪いぞ!!

写真は下が「渚のスローフード」からハナゴンドウ料理のいろいろ。
上がつい最近四国甲浦で食べた調査捕鯨のミンク尾の身、さえずり

Kujira02


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新年

671922520_48縁起を担ぐほうではないのだけれど、こんなのが出るとちょっとうれしくなりますね。

さて、今年は国際サンゴ礁年。
いろんなメディアが取り上げることでしょう。
すでに、某プロバイダー主導でアントニオ猪木さんや田中律子さんを担ぎ出してサンゴを植えようというイベントめいた動きも出ています。

でもサンゴを植えるって?
サンゴはすでに多くの方々がご存じのとおり、サンゴ虫という動物が海水中に豊富にある炭酸カルシュームで骨格を作り、そこ褐虫藻という珪藻類を住まわせ、主食がこの褐虫藻から溢れるような栄養分、そして自分のポリプ(触手)を使って流れてくるプランクトン類を捕食している動物です。
サンゴが広がって群生し、ずっとその場所で定着して何千年もかかって地形までも形成していくとこれがサンゴ礁。
しかしながら、大規模な群落が一時的な環境の変化から出来上がってもこれはサンゴ礁とは呼びません。これは、サンゴ群落と呼ばれることが多いのです。

以前にも書きましたが、サンゴ群落は環境が整えば驚くほど速いスピードで広がります。
サンゴは動物ゆえ、産卵という行動をとるため、これで生息域を広げるわけですが、これは今生きている環境から新天地を探す目的で行われる行動のようです。
その場所で広がるには、単に横に広がるだけでなく、破片分散といって、時化た時などに(海が荒れた時)折れた破片が周辺に広がり、そこに着床。新たな骨格を作りだして群落を形成していきます。
ほんの10年ぐらい前までは、サンゴは折れたら死んでしまう、折らないように注意しましょうとダイビングインストラクターは言っていました。
でも実はそんなことで死んでしまう生き物ではなかったのです。
彼らは自分たちが暮らしやすい環境だとあっという間に大きく育ちます。
下の写真は串本ダイビングパーク前10番ブイ付近の最近のものですが、ここは一昨年の台風で根こそぎやられ、全くと言っていいほどなくなってしまった場所です。
Sango013
でもわずか2年でまたこんな群落が広がりだしています。
エダサンゴの仲間はこのスギノキミドリイシのように成長が早く、環境さえ整えばあっという間に大群落を作り出します。この環境に目を向けなければ、だめなのです。

沖縄の周辺海域のサンゴたち、特に本島周辺のサンゴたちがなぜ死滅したか?
沖縄を訪れるときに空から見下ろせばわかるのですが、10年前に比べて沖縄はすごい大都会になりました。立ち並ぶビル群、住居の形態や数もびっくりするぐらい変化を遂げています。
サンゴが生息するためには、光合成をするための光の届く透明度の高い水、適度な水温が必要で、生活排水や土木工事による汚濁する排水の流出がなければ、きちんと広がっていくのです。
彼らが暮らせなくなった海域に折れたサンゴをボルト止めや水中ボンドで接着してどうなるのでしょう?この移植という試みは、過去30年間研究者がおこなってきて成功例はほとんど皆無です。成功した例はその海域の環境が変わったからだとも言われています。

ホテルの立ち並ぶ目の前の海にサンゴを移植するということは
汚い泥水のようなところに金魚を放しているのと同じ行動です。
金魚はうれしいのかな?
移植するためにダイバーがたくさん訪れ、海から上がって水をたっぷり使ってシャンプーを使っていたら、本末転倒。
さらに多くの観光客誘致のために大規模なホテル建設を始めたら・・・

去年一昨年と植えた(植物じゃないのでおかしい表現ですが)サンゴがどうなったのか報道はなかなかされません。死にかかったサンゴの上に新たな別の海藻が付着、これを取り除くためにボランティアダイバーが入り、さらには他のブダイなどにかじられないためか駕籠で囲ったりして育てようとしている写真はみました。
結局1年や2年でどうなったのかは報道されませんね。(おそらく死滅)
かたや、2年でこうなったという上の写真。
大事なのは人為的な植物を植えるような行動ではなく、そこに流れ込む人間の生活排水を何とかしないとだめなのです。
琵琶湖の葦や、そこに暮らす魚たちが死滅しかかった際、地域の人たちが洗剤を無リンのものやせっけん主体のものに変えて排水を変えることで復活させたというのも今や忘れ去られたことでしょう。
これは琵琶湖が下流域の京都や大阪の水がめでもあり、飲み水の水質改善をうたったこともうまくいった要因の一つだったのでしょう。

沖縄を訪れる観光客に、滞在中だけでもシャンプーやめて、バイオマス石鹸使いませんかとか、沖縄の各家庭、ホテルの排水浄化設備に寄付してくださいとやったほうが僕はまだ効果が上がるのでは?と思っています。
また自然を楽しむために訪れる場所で、立派なリゾートホテルや人為的にたくさん作られたゴルフ場などが果たして本当に必要なのでしょうか?
確かに足腰の弱いお年寄りが宿泊する場所としてホテルは必要でしょう。そういったホテルは便利な都市部の那覇周辺だけに作るべき。

でも、大自然の中に作るのはもうやめるべきではないでしょうか?
宿泊するのは建築時に大きなダメージを与える大規模なホテルではなく、ペンションじゃどうしていけないんでしょ?そのペンションの浄化設備に基金や補助金が出るようにしたほうがサンゴたちは守られるはずです。
沖縄本島から南西諸島の島々に今はリゾート開発が進んでいます。
空から見ると石垣島や宮古島も沖縄本島と同じになってきてますね。

まずはこの本州最南端串本の例でお正月明けのテレビ番組で現状をお知らせしようと思っています。収録が終わり、オンエアが正式に決まったら、またこちらでお知らせします。見てみてくださいね。


まあ、サンゴの植え付けは、こういった自然環境に目を向けるきっかけを与えるイベントとして広く一般の人に知らせる一つの手段として、わかりやすいのでいいのかもしれませんが、次のアクションがほんとうは必要だと思っています。30人の興味を持った人がプロバイダーに入って、みてくれる場所ができたのなら、その場所の次の有効活用を期待します。

日本の沿岸環境変えなきゃね!!

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お祭り騒ぎ

Beronica004二年目になったBERONICAでの
「海の中が好き」イベント!
いつもは硬い話題が多いこのブログだけどX’masということでちょっとこんな日記もありかと・・・
スクーバダイビング業界が元気ないとか、レジャー産業がイマイチ景気が良くないとか、いろんな声が聞こえる昨今。
昨年一度知ってるダイバー集めてみたらどうだろうと
開催!
今年はさらに関西エリアの業界人集めてステージイベント行なってみた。

南紀シーマンズクラブ
串本ダイビングパーク
サンマリン
アクア工房
South to South
おらんくダイバーズ
布施ダイビングセンター
須江ダイビングセンター
白崎海洋公園
エルマール
ワールドダイブ
日本アクアラング
月刊ダイバー
紀伊大島漁協
Eat and
ウミガメ協議会
(順不同)
などのご協力で開催!100人のダイバーを集めて、ちょっとおしゃれなパーティーをやってみたわけです。夢工場の広部さんとの水中映像をバックにギタリストの岡本さん、ベースのイスラエル・フェデーニョJr、龍笛の出口さん、コントラバスの椿原さんといった音楽と映像のコラボを実現。
Beronica003
東京でもやっていないイベントを大阪でやってみたのです。司会や進行協力に月刊ダイバーモデルの前田さん、増田さんにも協力してもらい、楽しい一夜を多くのダイバー達からいただきました。
ひとりひとりから少しづつ元気をもらって大きな元気玉にする。
なんだかドラゴンボールみたいなイベント。
参加してくれたダイバーたちのアクションが今後の大きな動きになるのでは?って思わせてくれた。
資源保全や地球環境、生き物たちの息吹をダイレクトに感じることができるダイバーたちだから、きっと何かができる。
一般ダイバーからでも少しづつ新たな動きが起こればいいですね。
関西のダイバーたちは元気です!2008年は大きなウエーブを起こしてみましょう!
ダイバーの手から!!

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育てる漁業

Iseebi_2 今の日本の漁業を支えているのは養殖といっても過言ではない。
しかしながら、持続させる資源というと面で見てみると、枯渇に向かう方向性を向いていると言わざるを得ない。
人気のコミック「美味しんぼ」という漫画の最新号でこのことについてテーマにあげているのをみた。僕なりに感じていることや今伝えていきたい方向性がそこに垣間見えて、こういったことに関心を持っていただくには漫画という媒体はすごい影響力を持つんだろうなと思っている。
 作者の方は真剣に食を取り上げようとしているのだけれど、その本質というか、根底にある部分がピンと芯が通っているので長期連載になっているのだろう。
しかしながら、バックナンバーを見ると、陸から見た取材中心のようで、水中から、海の中から見たら、また違った見え方がしている部分もあるので、こういった部分でジョイントできたら・・・協力できたらなんていう想いが少し芽生えている。
そんなの無理だとか思わずに願っていれば、いつか接点は出てきてお互い相乗効果になるようなことが起こると思っています。
 「夢想わねば願かなわじ」   好きな言葉ですが 武 豊さんも同じこと言ってますね。

さて、僕なりに見てきた海の出来事で、関連する話を一つ。
伊勢エビは非常に高価で、多くの漁師が冬になると一攫千金を頭に描いて毎夜エビ網を仕掛けに行く。だいたい紀伊半島だと11月~よく年の5月くらいまでほぼ毎日、時化(しけ)ない日は思い思いに網を仕掛け続けている。
だんだん漁獲高が落ちて今ではエビ網自体が衰退の一途に向かっていると聞いたが、こういった部分はちょっと目先を変えるとずいぶん変化が起こるものなのだ。
和歌山県串本町の一部の漁協は、このエビ網漁を全組合員で見直し、エビ網を入れるシーズンを年間に非常に短期の二回に限定。
入れる人員も漁協で選出した人のみが行ない、全組合員が均等に水揚げを分配するようにしたそうだ。
すると当初の数年は変化がそれほどなく、漁獲高は低迷したままだったが、4~5年後から漁獲高が向上。今では年末年始に全組合員に分配してそれぞれ80万前後の水揚げが2度行なわれるようになっているという。
驚くべきは今年の1月に見た光景。
この漁協で昼ごろ伊勢エビを一匹一匹計量して船に積み込んでいるではないか。
聞けば、これから余剰分を海に放流に行くのだという。
その重量なんと700Kg!
1kgあたり5000円だから売ればいくらになるか・・・
でも海に還すことで翌年からの安定供給が見込める。
一時的に豊漁だからと乱獲に走ると、値段も下がるし、しっぺ返しが来るのは今までの昭和からの歴史でたっぷりとわかっているはず。

こんなことを著書の最新刊「渚のスローフード」に書いています。
興味を持っていただければ幸いで、もし読む機会があれば、知り合いとのちょっとした会話で話題にしていただきたい。
そうすれば少しづつでも、水産資源の保護、われわれの食が変わっていくのではと思ってもいるのです。

海は広く大きく、うまく有効活用すれば、われわれ日本人が食べる蛋白源の大部分を購えると思っています。沿岸の開発方法と漁業の見直し。今こそやるべき時期なんですがね・・・
写真は伊勢エビの刺身
うまいよねえ!
国内外、マグロもタイもブリも車海老…(ちょっと違うがバナメイエビ、ブラックタイガー)も同じ。
こういった高級食材を広く一般の人たちに年中、いかに安く供給できるかといったことばかりにあまりにも向かいすぎたんじゃないでしょうか?

特定の高いものを養殖で増やそうとすると自然の中では絶対ひずみが生じます。
杉林の植林も同じですよね。!!

今の時期なら安くておいしいアジやサンマ、イワシやサバ
旬というのを今一度日本人は思いださなきゃいけないんじゃないかな?



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記念写真

Hq9r10562  今年6月、串本海中公園のマリンパビリオンが全面改修されている。
 ここは1970年に海中公園法というのができて海中公園という海域が制定され、そこにはじめて建てられた、日本で初めての海中公園研究所(錆浦研究所)ができた場所なのだ。
その研究所の先生方が学芸員を務めるこの水族館は、かなり老朽化が進んでいたものの、マニアックな展示で、水中生物に詳しい人ほど「ほーー」っと唸る展示も多かったわけだが、どこがどうすごいかというと、ほとんどの水族館が他の海域や世界中から展示物を運び込むのだけれど、この串本マリンパビリオンに展示されている生き物が、この周辺海域で捕獲された生き物だけで構成されているという点だ!
 写真のメガネモチノウオ(ナポレオン)もそうだし、サメもウミガメもそう。
さらにちょっと汚く感じる大水槽の壁面が実はすごいのです。
この壁面にはさまざまなミドリイシサンゴや生き物が生きているのですが、実は外部の海水を濾過、循環させて、上部からの自然光とライトの組み合わせで飼育ができているのです。
 サンゴは体内に渇虫藻を住まわせ、その光合成で生み出される栄養分をいただいたり、呼吸も体内の植物とのバランスで生きているわけです。
以前の日記にサンゴは決して弱い生き物ではないと書きましたが、人工飼育がいかに難しいか、人間を取り巻く環境との関連がいかに大事かを教えてくれる生き物でもあるわけです。
 地味なんですが、この展示方法、遠くカナダのモンタレー水族館や巨大な水族館の学芸員が勉強のために多く訪れてもいるのです。
 ほとんどの水族館ではサンゴはカラフルなグラスファイバー製であったり、共生する生き物が作りものに住まわされたりしていますが、ここではできるだけ宿主(例えばヤギとビシャモンエビなど)ごと水槽展示がされています。
 サンゴの移植イベントがもてはやされますが、移植したサンゴはそのほとんどがうまく生育しません。植えつけられるその環境が問題なのです。つまり、ホテルや周辺に開発の手が伸び、生活排水などで汚染されてそこに暮らせなくなったのがサンゴたちなわけで、彼らをその汚染された環境に無理やり水中ボンドやボルトで固定しても、大きく育つわけがないのです。
 ここの地味な水槽には、そういった飼育の難しさと共に彼らが大きく育つためにはどういった環境が必要なのかが見え隠れしているのです。
私たちが暮らしている便利な生活環境ですが、その一部を見直すだけでも多くの生き物が救われる。サンゴを水中ボンドで固定しに潜るのはいいのですが、その後でシャンプーを使って髪を洗い、生活排水をそのまま流していては本末転倒です。
 またその場所以外のサンゴを持ち込むことは生態系のバランスを崩すことにもなりかねません。

たとえば、琵琶湖の湖北で無リンの洗剤を使おうという運動が起こって、その周辺住民の方々が石鹸を見直したり、流す排水を考えたりして、葦や多くの自然が戻りました。
自然を守ろうというのなら人間がダメージを与えている環境に目を向けなければならないのです。
Azahata_2 この写真はマリンパビリオン内に作られているスペースで記念写真を撮る場所になっているのですが、こ